BLOG読者の関心が高かった 今年の10大テーマ(2)
昨日の続きです。
「BLOG読者の関心が高かった 今年の10大テーマ」の第5位は「2010年の注目人(2) 大黒天物産 大賀昭司さん」(1月11日)です。
大黒天物産は、岡山県倉敷市に本拠を構えるディスカウントストア企業。「DIO」(ディオ)と「LAMU」(ラ・ムー)という2つのフォーマットで西日本での勢力拡大を図っています。
今年の4月15日には、福岡県水巻町に「ラ・ムー水巻店」を出店して九州に初進出。BLOGでは、九州進出を、①1986年の創業、②2003年の岡山県外初進出の「ラ・ムー加古川店」(兵庫県)出店に次ぐ、3つめのターニングポイントと位置付け、不退転の決意表明をする大賀昭司社長を2010年の注目人として紹介しました。
アクセス数の多さは「大黒天物産」の注目度の高さを意味しています。
続いて第4位は、「ダーバン、竹野内豊さん起用で品切れする」(5月22日)でした。「竹野内豊」さんという名前が上位にランクインする牽引力になったものと推測できますが、この記事を書いた2日後の5月24日、持ち株会社のレナウン(東京都/北畑稔社長)が中国の繊維大手の山東如意集団(山東省)の傘下に入ると発表したこともアクセス数のアップに貢献したようです。出資金額約40億円でレナウン株の41.18%を取得するというものでした。
さて、上位3位の発表です。
第3位は「日本リテイリングセンター 渥美俊一チーフコンサルタント 逝去」(7月21日)です。日本の「チェーンストア業界の父」ともいうべき巨星が堕ちたのは7月21日の早朝でした。私は午前7時過ぎにご子息の渥美六雄さんからお電話をいただき、なすすべもなく、動揺の中でこのBLOGを書きすすめました。渥美先生逝去のニュースを世間に知らせたという意味では、日本一早かったと自負しています。
渥美先生が亡くなられてから5カ月が経過しますが、まだ実感がなく、明日にでもセミナー会場で大きな声を張り上げて流通マンたちを叱咤激励してくれそうな気がします。
もうあのしゃがれた声が聞けないのかと思うと、とても残念でなりません。安らかにお休みください。
第2位は「カインズ、マーケティングを充実する」(4月12日)です。製造小売業へのシフトにアクセルを踏み込むカインズ(群馬県/土屋裕雅社長)の進化ぶりについて書きました。
製造小売業は、読んで字のごとく、製造業の領域に踏み込むわけですから、企業経営において、マーケティングは、それまで以上に重要になってきます。
このBLOGでは、「パンクしにくい自転車」と「(家族)お揃いで乗れる自転車」について書き、カインズのマーケティング志向を紹介しました。
その後も専門部署を新設するなど、カインズのマーケティングは日進月歩です。11月23日、群馬県太田市に開業した新業態の「ライフスタイルホームセンター」では、「ピンクのクリスマスツリー」や「ルームウエア」などさらに新しいコンセプトで商品づくりに努めていました。すでに自社開発商品の売上構成比は30%超だと聞きます。
そして、第1位です。
第2位の5倍以上のアクセス数があったのは「西友にとりあえずイケア」(2月21日)でした。初春に流れた西友(東京都/野田亨CEO)のTVコマーシャルのキャッチコピーです。
「西友、ニトリあえずIKEA」と強調。「インテリアを購入するなら西友で」というメッセージを流した広告の出来栄えは最高でした。
2008年のKY(カカクヤスク)政策以来、西友にはお客が戻り始め、首都圏の多くの店舗はレジ台数が不足するほどの大盛況を見せています。ウォルマート傘下で、経営を立て直し、反撃を始めた西友から2011年も目が離せません。
以上がアクセス数の多かった10大テーマです。あえて、傾向を言うなら、流通企業ネタが多かったことでしょう。
来年も多くの企業を訪問し、BLOGに記していきたいと思います。乞うご期待です。
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