創業時の味が楽しめる限定商品も! 大阪・箕面、あの人気ドーナツチェーンの1号店を探訪

2024/02/09 05:59
森本 守人 (サテライトスコープ代表)
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オープン当時の素朴な味を楽しむ

 ショーケースの前に立ち、どれを買うかを検討する。1号店の限定ドーナツには「箕面ショップ限定」というPOPが添えられている。11種類あり、散々悩んだ末に「コーヒーロール」と「パウダード」を選択、さらに最近のメニューであるパイを注文した。ドリンクはアイスコーヒーである。

限定品には「箕面ショップ限定」というPOPが添えられている
トレイを受け取り、テーブルへ移動。見渡すと、店内はほぼ満席だった

 トレイを受け取りテーブルへ移動。周囲を見ると、ほぼ満席である。地域の奥様、男性会社員、学生風など、客層は多様だったが、どの人も楽しそうであるのが印象的だった。

 いよいよドーナツをいただく。

 まずは「コーヒーロール」から。一口頬張ると、素朴な味がする。この店がオープンした約50年前の人と今、同じものを食べていると思うと感激である。続いて粉糖をまぶしてある「パウダード」。これもストレートなおいしさ。続いてパイも食べたが、最高だった。

 すべてを平らげ、満足感にひたりながら周囲を観察すると、壁にはあちらこちらに様々なボード、ポスターなどが掲げられているのを発見する。近づくと、ミスタードーナツにまつわるエピソードが多数紹介されている。

 「ミスタードーナツ誕生秘話 〜夢と勇気の決断〜」と題した掲示物には、フランチャイズ権を得るため、渡米したダスキン創業者の体験談が書かれていた。

「ミスタードーナツ誕生秘話 〜夢と勇気の決断〜」と題した掲示物

 ミスタードーナツ・オブ・アメリカ社から提示された金額は「42万5000ドル」。当時の日本円で約1億5300万円。ダスキンの資本金の2倍にもおよぶ契約金に戸惑ったとある。それはそうだろう、失敗すれば本業も吹き飛ぶ可能性がある。それでも創業者は考え抜き、契約を決断したとある。そのおかげで今、われわれはおいしいドーナツを食べることができるようになった。

 また「箕面ショップ 一時閉店」との記事もあった。「2001年5月末、ショッピングセンターの撤退に伴い、閉店。地域のみなさまから復活希望の想いを込めた署名・嘆願書をいただく。2004年、現在の場所にショップが再オープン。現在に至る」。こういうのを知ると、ドーナツのおいしさも増すというものだ。

1号店は一度閉店しており、地域からの要望で再オープンしたことを知る

 ほかにも古い写真も数多くあった。それにより当時は24時間営業だったことを知る。深い情報が満載で充実した時間を過ごすことができた。興味がある方は、ぜひ箕面ショップへ行くことをおすすめする。

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記事執筆者

森本 守人 / サテライトスコープ代表

 京都市出身。大手食品メーカーの営業マンとして社会人デビューを果たした後、パン職人、ミュージシャン、会社役員などを経てフリーの文筆家となる。「競争力を生む戦略、組織」をテーマに、流通、製造など、おもにビジネス分野を取材。文筆業以外では政府公認カメラマンとしてゴルバチョフ氏を撮影する。サテライトスコープ代表。「当コーナーは、京都の魅力を体験型レポートで発信します」。

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