創業時の味が楽しめる限定商品も! 大阪・箕面、あの人気ドーナツチェーンの1号店を探訪
オープン当時の素朴な味を楽しむ
ショーケースの前に立ち、どれを買うかを検討する。1号店の限定ドーナツには「箕面ショップ限定」というPOPが添えられている。11種類あり、散々悩んだ末に「コーヒーロール」と「パウダード」を選択、さらに最近のメニューであるパイを注文した。ドリンクはアイスコーヒーである。
トレイを受け取りテーブルへ移動。周囲を見ると、ほぼ満席である。地域の奥様、男性会社員、学生風など、客層は多様だったが、どの人も楽しそうであるのが印象的だった。
いよいよドーナツをいただく。
まずは「コーヒーロール」から。一口頬張ると、素朴な味がする。この店がオープンした約50年前の人と今、同じものを食べていると思うと感激である。続いて粉糖をまぶしてある「パウダード」。これもストレートなおいしさ。続いてパイも食べたが、最高だった。
すべてを平らげ、満足感にひたりながら周囲を観察すると、壁にはあちらこちらに様々なボード、ポスターなどが掲げられているのを発見する。近づくと、ミスタードーナツにまつわるエピソードが多数紹介されている。
「ミスタードーナツ誕生秘話 〜夢と勇気の決断〜」と題した掲示物には、フランチャイズ権を得るため、渡米したダスキン創業者の体験談が書かれていた。
ミスタードーナツ・オブ・アメリカ社から提示された金額は「42万5000ドル」。当時の日本円で約1億5300万円。ダスキンの資本金の2倍にもおよぶ契約金に戸惑ったとある。それはそうだろう、失敗すれば本業も吹き飛ぶ可能性がある。それでも創業者は考え抜き、契約を決断したとある。そのおかげで今、われわれはおいしいドーナツを食べることができるようになった。
また「箕面ショップ 一時閉店」との記事もあった。「2001年5月末、ショッピングセンターの撤退に伴い、閉店。地域のみなさまから復活希望の想いを込めた署名・嘆願書をいただく。2004年、現在の場所にショップが再オープン。現在に至る」。こういうのを知ると、ドーナツのおいしさも増すというものだ。
ほかにも古い写真も数多くあった。それにより当時は24時間営業だったことを知る。深い情報が満載で充実した時間を過ごすことができた。興味がある方は、ぜひ箕面ショップへ行くことをおすすめする。