週末読書おすすめの一冊:「新時代」を生き抜くために必読の書
ニュータイプの時代(ダイヤモンド社)
著者:山口周
これまで当たり前とされてきた成果指標が、現代では「無意味化している」と山口氏は伝える。
モノがあふれ、IT化により情報を容易に得られるようになった現代にあって、人々は「自分にとって必要なモノだけを選ぶ」ことができる。ゆえに、「量」を相手にしていた過去の経験が活かしづらくなっていることは、企業のマーケティング担当者であれば自明であろう。
本書では、これからの時代を生き抜く思考を「ニュータイプ」、これまで当たり前とされてきた思考や指標を「オールドタイプ」と定義し、比較する形で思考の転換の必要性を説いていく。
山口氏は「オールドタイプは現代の問題を再生産している」と手厳しい。これまでは「不満、不便、不安」に対し、ソリューションを開発することで企業は利益を得られ、開発・改善能力を持つものが評価されてきた。しかし、これらが解消されてしまった昨今では、能力がいくらあっても、そもそも「問題」を創造できなければ利益・評価を得ることができない。
山口氏は現代を「問題が希少で解決策が過剰」としているが、これは非常にわかりやすい言葉である。
では今後、筆者も含め、オールドタイプはどうしたらいいのか?本書の結びにあるように「ある日突然ファンファーレが鳴って新時代が来る」わけはない。まだ時間はある。まずは思考を変えて、徐々に実践していくことが重要なのであろう。