新連載 「なんでも値上げ時代」に知っておきたい、主婦の買物行動と消費心理

2023/03/03 05:55
平塚 千晶 (家計簿・家計管理アドバイザー)
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「価格」だけにとらわれない「価値」の魅力

 特売品やポイントの活用を上手に駆使することで、価格を抑え、値上げラッシュによる影響をできるだけ軽減したいと考えている人もいますが、もはや節約だけでは吸収できないほどに値上げが続いていることから、「値上がりによる多少の支出の増加はやむを得ない」と許容せざるを得ない段階に来ていると考えることもできます。

 「節約志向」だけで価格の負担を減らすことができないならば、「見た目」「量」「質」なども含めた「総合的な商品のバランスを重要視した買物をしたい」という考えにもつながります。

 たとえば、共働き世帯で「頻繁に買物に行けないことが多い」場合は、時短などの「簡便さ」、「本物・高級志向」であれば「価格に対して質がよい」、「流行志向」なら「映え」などとも言われる「見た目の華やかさ」など、付加価値がある商品ならば、「価格」の面だけで商品を評価しないといった考えです。

 総合的に見た時の「商品の価値」が高ければ、「低価格」だけが買物の魅力とはいえず、値上げが止まらない最近では「価格を抑えることが難しいなら総合的な価値を求める」といった価値観のシフトがあってもよいのではないかと感じます。
「値上げ後の価格」が当たり前になりつつあり、消費者も「慣れ」を感じることで、低価格で購入することだけを求めても無理があることを主婦は理解しています。

 新たな価格帯において「買物の楽しみを失わない工夫」を考慮しつつ、我慢や節約だけで終わらない購買意欲を刺激される商品の登場に期待が高まります。

 次回からは主婦が実際にどのような買物行動をしているのか、スーパーマーケットの部門別に解説していきたいと思います。

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記事執筆者

平塚 千晶 / 家計簿・家計管理アドバイザー

東京都在住。主婦歴20年以上。夫と子ども3人の5人家族。結婚と同時に家計簿をつけ始め、家計簿、家計管理、ポイ活などに詳しい。主婦業を中心とした執筆も多数あり、雑誌などへの掲載も多数。日本テレビ、フジテレビ、NHK、テレビ東京などにも出演。著書に「あきの新ズボラ家計簿(秀和システム)」「ズボラ家計簿」練習帖(講談社)など。

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