アスクル代表取締役社長兼CEO 岩田彰一郎
消費者向けネット通販に本格進出、アマゾンとは違う切り口で対抗する!

2013/01/16 13:00
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顧客の使用シーンに合わせた商品を開発

──既存のB2B事業をベースに立ち上げてきた新規事業も広がりを見せています。

 

岩田 われわれの企業理念は、「お客さまのために進化する」ということです。新しい事業はすべてお客さまの声から生まれてきました。おもに大企業向けのオフィス用品の企業一括購買の「アスクルアリーナ」、間接材の一括購買の「ソロエル」などがあります。ソロエルは今、非常に好調で、購買を「見える化」してどう効率化するかについて、利用企業でベストプラクティスやノウハウの共有化も始まっています。アスクルアリーナは、あらゆる間接材が買えるようなサービスとして「ソロエルアリーナ」に切り替えているところです。大企業においては購買革命が進行しています。それを今、アスクルはお手伝いしています。

 

 企業では文房具などの間接材は部署ごとに購入しています。これをシステム化することで「見える化」したのが「ソロエルエンタープライズ」です。「電子篩(ふるい)」と呼んでいますが、篩にかけることによって購買額も抑制されます。何を買っているかがオープンになるだけでも効果がありますが、値段を比べてみると、いちばん安く買っていると思っていても、意外とそうでもないことがあるのです。

 

アスクル

 

──プライベートブランド(PB)を積極的に開発されています。

 

岩田 今、強い商品をつくろうということで、PB開発を始めています。「現場のチカラ」という名称ですが、この春には一気に増やす予定です。

 

 メーカーとの開発商品も増やしています。伊藤園さんとは「会議のための緑茶」を開発しました。350ml/66円で、非常に売れています。

 

 UCCさんとはコーヒーを初めて開発しました。コンセプトは「接客にぴったりのブレンドコーヒー」ということで、飲みやすくて、おいしいものをつくってもらいました。飲料のPB化も切り口を明確にしてやっていくと、買っていただけるようになります。われわれにとって新しいチャレンジです。

 

 かつてのヒット商品に、トイレの消臭剤があります。高級飲食店のトイレに派手なパッケージの消臭剤が置いてあるより、店の雰囲気にマッチするお洒落なデザインをスウェーデンのデザイナーとともに開発し、パッケージから派手な「消臭剤」という文字もなくしました。

 

 お客さまの使用シーンに合わせて、メーカーと一緒になって商品を開発する。店頭を通じて売る場合は、消費者が求めているものと、店頭で売れるものが違ったりすることがあります。それが通販になると、お客さまが求めるものをそのままつくることができるのです。

 

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