イオンリテール（千葉県）は5月7日、過去の販売データに基づきAIが適切な値引き率を提示する「AIカカク」の適用範囲を拡大すると発表した。
同社が運営する約380店舗を対象に、5月8日から畜産部門、5月22日から水産部門に適用範囲を拡大し、適用品目数はこれまでの1.5倍の約1,200品目となる。
同社は2020年からデジタル化の一環としてAIによる需要予測に着手し、2021年に値引き支援システム「AIカカク」を総菜部門で実装。2022年には日配品の一部に適用を拡大させた。
「AIカカク」は、販売実績や天候などの環境条件を学習したAIが、「その日その時」の需要予測を行い、バーコードで読み取った商品情報と陳列数をもとに適切な割引率を提示する。この導入により、導入前に比べ、ロス率が1割以上低減しているほか、値引きや売り切り業務に関わる教育時間も減少しているという。
また、同社は2023年に導入した需要予測・発注システム「AIオーダー」についても、6月に適用範囲を拡大させる。
「AIオーダー」の対象品目は、日配品の漬物やチルド飲料、チーズやハム、デリカの冷総菜やサラダなどで、品目数はこれまでの約2倍となる。
これにより、発注にかかる時間が半減するほか、入荷整理や品出しをはじめ、在庫管理、値引き、発注修正などの業務負荷が減少されることで、生産性が大幅に向上する見込みだという。