3兆円のダンボール市場で急成長する専門EC「ダンボールワン」とは何か
ラクスルの知見を生かし、さらなる飛躍へ
ダンボールワンは1978年、石川県のダンボール製造・販売を手掛ける町工場で創業し、業界でいち早くダンボールのEC化に取り組んだ。20年に、印刷業界でソリューション事業などを展開するラクスルが株式を取得。その後22年に完全子会社化、翌23年8月に合併吸収し、現在に至る。
「23年8月にダンボールワンがラクスルのいち事業になってから、当社が持つ物流網やマーケティング施策などさまざまな強みを共有できる体制になった。今後もラクスルや傘下のグループ会社と積極的に連携していきたい」(前川氏)
これまでは自社名を印刷したダンボールを無地の商品よりも安価で販売するのが主な自社広告の手法だったダンボールワン。ラクスルの傘下に入った20年以降はテレビCMやWEB広告を打ち出しており、その効果として認知度の向上を感じているという。
足元では、気泡緩衝材やテープなどダンボールの関連商品の拡充に力を入れている。「ダンボールを求めるお客さまが、各自の使用目的にあわせて必要な関連商品が揃うような専門性の高いECをめざす」(前川氏)
商品数が多くなることで、お客が商品を探しにくくなるといった問題もある。サイトのUX向上は、ダンボールワンが現在、抱えている課題だ。直近では、お客にとって最も大切な要素であるダンボールのサイズ感がサイト上で伝わりにくいという問題を解決するため、人が箱を持っている写真を掲載するなどの工夫でUX向上を図っている。
現在は売上規模70億円超のダンボールワンだが、「早期に100億円を超えたい」と前川氏は意気込みを述べる。