会員数10万世帯の“お花の定期便”ブルーミー
「日常に花」の需要を満たすサービスの妙
新規ユーザーの開拓でさらなる成長へ
運営会社のユーザーライクはブルーミーのほかに、「お花の定期便」を他人にプレゼントできるサービス「ブルーミーギフト」も展開している。いま力を入れようとしているのが、その「ブルーミーギフト」を利用した他業種との協業だ。百貨店やコンビニなどで販売するカタログギフトなどに「ブルーミーギフト」を加えるほか、コスメメーカーと協業してスカーフと花のセットを限定販売するなど事業の幅を広げている。
22年11月には、チョコ菓子「キットカット」と花を合わせて贈ることができるLINEギフトも限定的に販売した。そうした取り組みにより新規顧客の獲得に成功しており、ブルーミーを利用するユーザーの8割が、”花を飾る習慣がなかった層”なのだという。武井氏は「お花を飾るきっかけを多くの人に提供したい」との想いから、協業する業種を絞っていない。
そもそもブルーミー開業のきっかけは、武井氏が前職を退職した際の送別会で渡された花束だったという。武井氏はその時に「お花をもらったらうれしいし、家にも飾る。だが、実際にお花が生活の場に登場する機会は冠婚葬祭や祝いの場が多く、日常でもお花と触れる機会を増やせるのでは」ということに気づいたそうだ。
花の美しさは多くの人を魅了するが、日本人の生活に溶け込んでいるとはいえないだろう。だからこそブルーオーシャンだと目をつけた武井氏は、16年6月にブルーミーの事業を思いつき、国内初の「お花の定期便」サービスを開始することとなった。
花き(切花や鉢花などの観賞用植物)の市場はバブル期にピークを迎え、直近30年間は微減が続く。そうした環境にありながらブルーミーはサブスクサービスとして成功を遂げた。幅広い年齢層から支持される同サービスは、新規ユーザーの開拓によりさらなる成長をめざす。