意外と面倒な「入力作業」を省略! ECの機会ロスを防ぐ「ボイスコマース」とは
AIによる音声対応で人材不足を解決
導入する店舗側のメリットも多い。入力された音声は、AIが自動でテキスト化し、受注データに整理してくれる。店側は、AIが処理した受注データの内容を確認するだけで済むため、大幅な作業軽減につながる。「24時間365日電話注文受付」というチャネルを最低限のリソースで構築することが可能だ。
さらに、カート落ち対策機能として昨今注目されている、SMSによる途中離脱者へのリマーケティング(離脱直後の確認、しばらくしてからのリマインドのポップアップ通知など)手法と組み合わせることにより、カート落ちの確率をさらに下げる効果も見込める。
テレAIカートの活用事例では、注文率が導入前の2倍から3倍近くになったケースがあるという。カート落ち候補だった多くの販売機会を、確実に販売につなげていることがわかる。
年齢問わず浸透している「電話」にチャンスを見出す
もともとテレでは、「テレAIカート」のリリース前に「テレAI」というサービスを提供していた。「テレAI」は、販売側が商品に対応する電話番号を決めておき、お客はその番号に電話をかけ、AI音声の指示に応答するだけで購入ができるサービスだ。このサービスを、ECサイトを介するかたちにしたのが「テレAI カート」だ。
電話をかけ、自動音声に従って音声入力するという流れは同じだ。この一連の流れは、同社により「ボイスコマース(音声通販)サービス」として特許出願がなされている。
スマートフォンの普及により、メールやSNSでのメッセージのやり取りが主流になる一方、電話の通話機能は古いメディアと片づけられるようになっている。そうした流れのなか、なぜテレは電話本来の機能に着目したのか。
平野社長は「コロナ禍で人との接触、外出に制限があったなかで、EC利用者のすそ野が大きく広がった。一方で、電子機器での情報入力の難しさやクレジットカード情報入力の不安からECを利用せず、感染リスクを冒してでも、頑張ってリアル店舗に買物に出かける高齢者の姿を見かけることも多かった。しかもその人たちは、手にスマホやガラケーをしっかり持っていた」と振り返る。
そこで平野社長は「ECができなくても電話はかけられる。ここにチャンスがあると考え、買物不便者の助けにもなるかもしれない」と考えたという。





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