スマホで部屋を自由に模様替え!「家具を選ぶ楽しさ」追求したイケアのオムニチャネル戦略

2024/05/20 05:59
堀尾大悟
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家具も、服のように自由にコーディネートを楽しむ

IKEAアクティング・カントリー・デジタル・マネジャー
アクティング・カントリー・デジタル・マネジャーの井上知秋氏

 「イケア クリアティーヴ」で作ったレイアウトは、アプリ上で保存したり、複製して違うバージョンを作ったりすることもできる。スウェーデン語で「creative(創造的な)」を意味する「Kreativ」の名前どおり、部屋の模様替えをクリエイティブに、自由に行うことが可能だ。仮に家具を買う目的がなくても、遊び感覚でさまざまなレイアウトづくりに没頭したくなる。

 家具を買うのは一大決心だし、一度ソファやテーブルを部屋に置くと、そのままずっと使い続けることが多い。だが、この「イケア クリアティーヴ」を使って自由にレイアウトを楽しみながら「ソファを買い替えてみようかな」という欲求が触発されそうだ。レイアウト一式の合計金額も表示されるので「合計で10万円ならボーナスで思い切って部屋の家具を入れ替えてみよう」といった家具の新しい買い物体験も生まれるかもしれない。

 OMOやオムニチャネル戦略においては「利便性」や「ストレスのない買い物体験」といった目的が優先される。それはそれで大事なことだが、イケアの「インテリアスタイルラボ」なり「イケア クリアティーヴ」には加えて「楽しさ」の要素がある。

 「広大な店内を回りながらルームセットや実際の品物に触れる「宝探し」のような買い物体験は、イケアの魅力の一つ。都心型店舗やオンラインなどのタッチポイントを増やし、新たなツールでつなげていくことで、そういった自由に選び、購入する楽しさを実現していきたい」

 イケアが「家」をテーマに実施している調査「Life at Home Report 2022」によると、「昨年と比べて自分の家についてよりポジティブに感じている」と回答した日本人は12%のみで、調査対象37カ国中35位。また、「家が自分らしさを表現している」と感じている日本人は37%(世界平均は58%)だという。数値が低い分、日本においても服のコーディネートのように、自由に自分らしさを演出するアプローチとして家具を購入するライフスタイルが広がっていくポテンシャルがありそうだ。

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