ファッションロスをなくせ!アウトレットサイト「スマセル」、在庫完売させる仕組みとは
オンライン購入の一般化、物価上昇がユーザー増加の後押し
スマセルのユーザー数は現在25万人で、25~40代の男女が中心だ。割安な商品を求めているだけでなく、自身の購入自体がCO2削減という社会課題の解決につながっている点も認識しているという。流通額はコロナ禍以降で10倍以上に伸びた。その要因を「オンライン購入をする人口が増えたこと、物価上昇により洋服の予算を節約したいユーザーが増えているのではないか」と福屋氏は分析する。
最近では、新品をアウトレット価格で販売するだけでなく、古着の回収や販売も行っている。出店ブランドの実店舗に古着の回収ボックスを設置し、一律料金での買い取っているのだ。
「洋服の廃棄の半分はアパレル企業、残りの半分は家庭から出ている。ファッションロスの課題を解決するなら、古着の課題にも着手するべきだと考えた。古着を出したユーザーには、ブランド側から買い物に利用できる300~500円ほどのクーポンを渡している」(同)
有名ブランドの古着をスマセルが回収し販売することは、実はそのブランドの新たなファン獲得にもつながる。新品ではなかなか買えない憧れのブランドの古着を購入した若いユーザーが、次は新品を購入したいと考えるきっかけになる。その点がアパレルブランドからも評価されている。