株式市場の仕組みでスニーカーを売買?米国発「StockX」日本市場に参入の真のねらいとは
世界で3店舗めのリアル店舗が原宿にオープン
日本で本格展開して約2年が経過したStockX。「日本市場では、StockXに対して非常に強い関心と需要があり、多くのチャンスがあると考えている」とドーン氏は一定の手応えを感じている。引き続き日本市場を重視し、投資を続けていくかまえだ。
それを裏づける動きとして、2022年7月16日には、日本における“ストリートファッションの聖地”である東京・原宿に、StockXの実店舗「ドロップオフ & ストア」をオープンした。「ドロップオフ」とは、取引が成立したアイテムをセラーが店舗に持ち込めるサービス。通常であれば、梱包、配送ラベルの印刷、集荷などをして鑑定センターに送る必要があるが、その手間がなくなり負担を軽減、より多くのセラーの参加を促すねらいがある。東京の「ドロップオフ & ストア」は、世界ではニューヨーク、香港に続く3店舗め。実際にニューヨークや香港ではドロップオフによって、販売が促進されたという実績がある。また、スタッフが厳選したアイテムを店頭に展示するショールーム型の店舗としては、世界初の試みとなる。購入はあくまでもサイト上からなので店舗にある商品を持ち帰ることはできないが、実際に見て決めることができるため、バイヤーにとってもメリットになる。
この秋には世界で13か所めとなる鑑定センターを日本国内に開設予定だ。この日本の鑑定センターを「次の大きなステップ」とドーン氏は位置づけている。
「日本の鑑定センターがフル稼働すれば、国内での取引数が増加し、日本のセラー、バイヤーが増えるきっかけにもなる。このセンターの開設をきっかけに、さらに日本でのビジネスを成長させていきたい」
スニーカーやストリートファッションの文化が根強い日本において、着実に存在感と信頼を高めつつあるStockX。コロナ禍を機に活況を呈する二次流通ビジネスに、さらに弾みをつけてくれそうだ。