株式市場の仕組みでスニーカーを売買?米国発「StockX」日本市場に参入の真のねらいとは

堀尾大悟
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「鑑定士」が一点一点のアイテムをチェック

鑑定の様子
鑑定士による鑑定の様子

 もう一つ、StockXのビジネスモデルを支えているのが「オーセンティケーター(authenticator)」と呼ばれる「鑑定士」の存在だ。

 セラーとバイヤーとの間で取引が成立したアイテムは、そのままバイヤーの手元に渡るのではなく、一度StockXの鑑定センターに運ばれ、鑑定士が真贋をチェックする。その上で「本物」と認証を受けたアイテムがバイヤーの手元に届くシステムだ。

 「セラーの商品紹介やサイズ、コンディションの説明が適正かどうかを、鑑定士が実際に手に取ってチェックしている。質の高いサービスを提供する上で、彼ら鑑定士は『ゲートキーパー(門番)』の役割を果たす重要な存在となっている」

 こう語るのは、日本における責任者でシニアディレクターのデュイ・ドーン氏。鑑定センターは世界中に12拠点あり、すべてのアイテムに対して実際に人の目でチェックをかけることでマーケットの信頼性を高めている。

 不透明な取引が横行しやすいプレミアムスニーカーやストリートファッションのデッドストック市場に、株式取引のシステムや鑑定士によるスクリーニング機能を導入したことで、透明性の高いマーケットプレイスを創造したStockX。スニーカーのほかアパレル、ゲーム機、トレーディングカード、アクセサリーなどさまざまなアイテムが全世界200か国以上で取引され、総取引アイテム数は3000万件、月間の訪問者数は3000万人以上に上る。

 また、StockXは国ごとではなく一つのグローバルなマーケットプレイスを形成しているため、セラーにとっては世界中のバイヤーを相手にでき、バイヤーにとっては世界中のアイテムにアクセスできる。このことも、StockXの大きな魅力となっている。

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