グローサラントとは?グローサラントのメリット・デメリットは?徹底解説!
グローサラントとは
グローサラントとは、グロサリーストア(食料品店)とレストランを組み合わせた造語で、主に食品スーパーで取り扱っている食材を調理し、その場で食べられる飲食業態のことだ。和製英語ではなく、米国で生まれた業態であり、ネーミングである。
いわゆる「イートイン(店内喫食)」は購入した精算済みのパンや弁当、総菜を店内で食べるスペースだが、グローサラントは調理の工程が入り別途精算も発生する。イートインもできるグローサラントという形もある。
また、「フードコート」とグローサラントの違いは、グローサラントがスーパーの直営だという点と、スーパーの食材を調理したものを提供するという点にある。
グローサラントの条件は、①スーパー店内の、②売場の食材で調理する、③直営レストラン、とされている。グローサラントが「売場の食材」を用いて調理するかどうかは、厳密には消費者にはわからないが、この条件(あるいはコンセプト)を活かすことが、成功のカギになる。たとえばサラダバーや寿司コーナーなどは、売場の食材を用いていることを分かりやすくアピールしやすい。また、さまざまなメニューで「レシピの提案」をうたうこともできる。フードコートで食べた料理がおいしかったら、売場にUターンしてその食材を購入してもらえるかもしれない。
グローサラントのメリット
グローサラントは、ネットショッピングでは味わえない「売場で見かけた食材を使った料理」を楽しんだり試したりするという“体験”を提供できる。またスーパーの店内にあるため、レストランに行くよりカジュアルに楽しめるメリットもある。料金もレストランよりは一般的にリーズナブルだ。
自宅で手の込んだ料理をしなくなったシニア夫婦や単身者が、日用品を買いに行ったついでに利用するニーズも見込める。主婦は、ファミリーでの買物のついでにグローサラントで食事することで、1日3回の食事作りや後片付けの負担を軽減できる。
グローサラントのデメリット
グローサラントのデメリットは、スーパーマーケットには外食店を運営する経験、ノウハウがないことだ。
フードコートの設営ならスペースを提供するだけでよいが、グローサラントは直営でないと意味がない。経験のない業態への進出には、それなりのコストがかかり、リスクもある。
グローサラントには、大きく分けてカフェテリア型とツーオーダー型がある。料理を並べて選んでもらうカフェテリア型なら、総菜コーナーや寿司コーナーのノウハウが生かせるが、注文のたびに調理するツーオーダーはまったく経験のないオペレーションになる。
グローサラントの実例
日本で最初のグローサラントは、2017年に開業した「成城石井 トリエ京王調布店」(東京都調布市)に併設されたレストラン『SEIJO ISHII STYLE DELI&CAFE』といわれている。同店のメニューにはレシピカードが用意されていて、使われいてる食材の9割をスーパー内で買うことができる。
お客はレジで料理を注文・会計して、番号札をもらって席に着く。料理が出来上がると番号がアナウンスされるのでカウンターまで取りに行く。
メニューは、ハンバーガー、パスタ、ステーキを軸に展開され、やや高級志向だ。当初は平日に主婦層、週末にファミリー層を想定したが、ビジネスパーソンや高齢者の利用も予想以上に多いという。
またイオンリテール(千葉県)は、イートインとグローサラントを併せた形の「ここdeデリ」を展開している。メニューはピザ、グリル、カレー、ドリア、スープなどでテイクアウトもできる。系列のコンビニであるミニストップのアイスクリームやソフトクリームなどもある。店内には電子レンジが用意され、手洗い場がある店も。座席ではスマホが充電できる。