業態メーカーベンダーとコールドチェーン事業
「業態メーカーベンダー」というビジネスモデルを開発したのはアイリスオーヤマ(宮城県/大山健太郎社長)だ。黎明期のホームセンター(HC)業態に向け、プラスチック成型製品の製造卸を足掛かりに、ガーデン用品、ペット用品、収納用品…と、おおよそHCが必要とする製品を次から次へと開発提案し、自社だけでHCの品揃えを賄えるだけの製品ラインアップを持つに至った。HC業界と同じ成長カーブで業績を伸ばし、現在ではドラッグストア業態、GMS業態や食品スーパー(SM)業態などでもしっかりと地歩を築いている。
「エアコン」「業務用冷凍冷蔵庫」「ショーケース」「冷凍庫」「IHおでんウォーマー」「炊飯器」「電子レンジ」「LED照明」「監視カメラ」「店舗統合管理システム」…といった一見関連性の見いだせない製品群を「コールドチェーン事業」と括り直し、SM業態のソリューション企業化を打ち出しているのは、パナソニック(大阪府/津賀一宏社長)だ。2009年に三洋電機を子会社化したことでショーケースなどの製品ラインナップが加わり、「コールドチェーン」という事業コンセプトに至ったようだ。
縦割りの組織が開発製造する製品は常にスポットによる単品販売が基本になる。だが、自社の抱える製品や商品を誰も思いつかなかったコンセプトでくくり直してみれば新しい市場にたどり着くこともあるということだ。
『チェーンストアエイジ』誌2015年2月15日号
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