変化対応ができない理由
「変化への対応と基本の徹底」。四谷のセブン&アイ・ホールディングス(東京都/村田紀敏社長)の本部受付にも掲げてある同社の理念だ。ダーウィンの進化論にあるように、この世で生き残るのは最も強い種や最も賢い種ではなく、最も変化に対応できる種である。だからこそ、同グループは、セブン‐イレブンやヨークベニマルを中心に朝礼朝改も辞さず、自己否定と自己破壊を繰り返し、着実に成長を遂げてきた。
そのことを目の当たりにしてきた流通業界のなかにあって「変化対応」を広言しない企業はほとんどないと言っていい。「お客様や市場、競合は常に変化しているのだから、それに対応しなければいけない――」。これは、どの経営者も必ずや口にする常套句の一つになっている。
ところが、そう言いながらもA社やB社やC社のように旧態依然とした店舗や売場をつくり続けている企業は少なくない。規模の大小はあまり関係なく、それなりの規模になっている企業にも散見できる。なぜ、そんなことが起こってしまうのか? 突き詰めてみると、口では「変化対応」を謳うものの、経営者が心底からは変化を愛していないためだろう。つまりは、経営者が変化に対応できていないというところに行き着く。
『チェーンストアエイジ』誌2014年9月15日号
※明日は出張のためBLOGをお休みします。次回の更新は、9月8日(月)になります。
千田直哉の続・気づきのヒント の新着記事
-
2024/07/03
「何にでも感激する経営者」の会社が業績が良い“意外な”理由 -
2024/06/07
経費率16%なのに?ローコスト経営企業が敗れ去るカラクリとは -
2024/05/23
キットカットをナンバーワンにしたマーケター「アイデアより大事なこと」とは -
2024/04/15
スーパーマーケット業界のゲームチェンジャー、オーケー創業者・飯田勧氏の経営哲学とは -
2024/02/23
「ダイソー」創業者・矢野博丈さんが「会社は潰れるもの」と考えて経営にあたった真意 -
2023/10/30
スポーツの番狂わせと企業の好調要因がどちらも「偶然」ではない理由
この連載の一覧はこちら [1787記事]
![千田直哉の続・気づきのヒント](https://diamond-rm.imgix.net/wp-content/uploads/2021/05/20210514_chiefblog.jpg?auto=format%2Ccompress&ixlib=php-3.3.0&s=ebefbdfd159307ddf75e7a10016248a0)