プロ野球選手は“野球選手”じゃないといけない
昨日の大リーグ、アメリカンリーグ優勝決定シリーズ第6戦は、ボストンレッドソックスがデトロイトタイガースを5対2で破り、通算成績を4勝2敗として、6年ぶり13度目のリーグ優勝を決めた。MVPは1勝3セーブと大車輪の活躍をした元読売ジャイアンツの上原浩治投手(39)だった。
第6戦は、途中までタイガースが優勢に試合を進めていた。
1点を先制された6回表にノーアウト満塁から、タイガースの4番バッターのマルティネスが2点タイムリーヒットを打って逆転する。
しかし、その直後、流れは一変する。
タイガースの主砲フィルダーの走塁ミスが飛び出し追加点を取ることができなかったからだ。
6回の裏は、レギュラーシーズンで21勝を挙げ、勝率8割7分5厘のタイガース、シャーザー投手が大ピンチを切り抜けたものの、7回裏にショートを守るイグレシアスのエラーがレッドソックスのビクトリノの逆転満塁本塁打の呼び水となり、「ジ・エンド」と相成った。
日本のBSテレビで解説していたトロントブルージェイズに所属する“ムネリン”こと川崎宗則は、この試合を次のように総括した。
「プロ野球選手は、スラッガー(=強打者)であるだけではいけなくて、(ふつうに走塁も守備もできる)“野球選手”じゃなければダメだ」。
フィルダー選手に対しての言葉と思われ、「特定の仕事が突出していても、その他の部分のマイナスで足を引っ張ってしまっては、元も子もない」とその意味を理解した。
咄嗟に喋ったようにも聞こえたが、メジャーリーグでさんざん苦労してきた選手ゆえに吐露できる重みがある、と感心した。
抜きん出た専門技術はもちろん必要だが、野球選手である限り、穴があってはいけないということ。ビジネスの世界でも同じことが言えるだろう。
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