世界の視野に立てば
「繊維業界」と聞いた時に“斜陽”をイメージする向きは少なくない。しかし、東レ(東京都)の日覺昭廣社長は、「世界の視野に立てば、繊維は基幹事業だ」と言い切る。実際、現在同社は、日本のほか、韓国、中国、インドネシア、タイ、マレーシア、イタリア、チェコ、英国、米国の9か国に21の生産拠点を展開し、業容拡大に努めているのだ。
確かに世界人口は猛烈な勢いで拡大しており、その数、約70億人。なかでも、BRICS、VESTAなどと呼ばれる新興国では、中産階級が増え続け、確実に購買力をつけている。「アジアはいまゴールドラッシュだ」とファーストリテイリング(山口県)の柳井正社長は目を輝かせているほどだ。
少子高齢化が進み人口が減少し、経済が停滞する中で、目線が下に落ち、気分が落ち込みがちになってしまうのは仕方がないかもしれない。だが、日本の多くの企業には、人力、技術力はもちろん、世界に優るビジネスモデルを持っている。前を見つめ、胸を張り、少し角度を変えて物事を眺めれば、意外な活路が開けるはずだ。
『チェーンストアエイジ』誌2012年10月15日号
※誠に唐突で申し訳ありませんが、明日から渡米します。次回の更新は10月9日(火)になります。よろしくお願いします。
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