コンビニより強い!首都圏で増殖続ける、まいばすけっとの全貌!

阿部 幸治 (ダイヤモンド・チェーンストア編集長)
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2005年に1号店をオープンして以来、東京23区、神奈川県の横浜・川崎市を中心に出店を重ねながらも、その戦略の実態はベールに包まれたままだった。800店舗を超える規模に到達した今、2018年にまいばすけっと(神奈川県)代表取締役社長に就任した古澤康之氏がインタビューに応じた。
聞き手=阿部幸治(ダイヤモンド・チェーンストア編集長) 構成=野澤正毅

東京23区への出店、全体の75%占める

──改めて、まいばすけっとの事業コンセプトについて、教えてください。

まいばすけっと代表取締役社長 古澤 康之
ふるさわ・やすゆき
1972年生。95年4月 ジャスコ(現イオン)入社、2002年2月 同社西日本カンパニー管理部。06年9月 同社戦略部、11年3月 同社戦略部長。14年5月 永旺商業有限公司総経理。18年2月、まいばすけっと代表取締役社長(現任)。

古澤 都市部ではお店が減って、いわゆる「買物難民」が増えています。当社がライフラインとなって、そうした都市部のお客さまのニーズに応えるというのが、基本的な経営理念です。「物理的にも、心理的にも近い店」、すなわち、「家のそばで便利な店」だけでなく、「親しみやすく、きれいな店」をめざしています。都市部では、ハイコスト・ハイプライスの店舗が多いのですが、当社は、生活密着型店舗なので、スーパーマーケット並みの価格をめざしています。

──店舗フォーマットや商圏の設定は、どのように考えていますか。

古澤 売場面積60坪、平均日販60万円弱の小型店が標準ですが、最近では、やや大型の80坪タイプの店舗も展開しています。商圏は半径500mを想定しています。お客さまには徒歩3~5分で来店いただける距離です。必要商圏世帯数は500~600世帯。そのほか、立地条件としては、店舗前の交通量なども考慮します。客層は女性が60%、男性が40%で、40代以降が多くなっています。

──2019年9月現在、800店舗以上を運営していますが、出店エリアについては?

古澤 出店エリアは、人口が集中し、人口減が起こりにくいと想定される東京23区と神奈川(横浜・川崎)が中心で、そのうち、東京23区が約75%を占めています。

──「まいばすけっと業態」は、05年に事業をスタートし、初めは大量出店を続けて、そのあと出店を抑え、16年から怒涛の出店を再開しています。その理由は?

古澤 スタートから5年後くらいまでは、年平均100店舗規模で出店していました。しかし、社内体制の構築が、成長のスピードに追いつかず、一時業績が足踏み状態となりました。そこで、いったん売場や品揃え、オペレーションを見直すなど、社内体制の拡充に力を注ぐことにして、13~15年は新規出店を年間50店舗規模に減らしました。
 利益がV字回復したので、16年からは、再び年100店舗規模の出店に戻しました。

──19年度の出店予定は?

古澤 100店舗規模です。当社は、居抜き出店が多いのですが、規制緩和によって、6月以降は延べ床面積200㎡までなら用途変更の手続きが不要になり、スピーディに出店できるようになりました。そのため、法改正後に出店を加速させました。

──新規出店だけでなく、改装にも力を入れるそうですね。

古澤 当初は年間150店舗を出店する計画だったのですが、店舗年齢が上がって、設備が老朽化したり、商圏ニーズにマッチしなくなったりした既存店も増えていたので、足元を固めることにしました。全面改装したのが15店舗、部分改装したのが40~50店舗です。全面改装した店は10%以上、部分改装した店では3~5%くらい、売上が前期比でアップしています。

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記事執筆者

阿部 幸治 / ダイヤモンド・チェーンストア編集長

マーケティング会社で商品リニューアルプランを担当後、現ダイヤモンド・リテイルメディア入社。2011年よりダイヤモンド・ホームセンター編集長。18年よりダイヤモンド・チェーンストア編集長(現任)。19年よりダイヤモンド・チェーンストアオンライン編集長を兼務。マーケティング、海外情報、業態別の戦略等に精通。座右の銘は「初めて見た小売店は、取材依頼する」。マサチューセッツ州立大学経営管理修士(MBA)。趣味はNBA鑑賞と筋トレ

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