折り込みチラシをやめる
新聞協会経営営業務部調べによれば日本国内の新聞発行部数は漸減傾向にある。1999年の一般紙の発行部数は4746万4599部。2009年は4565万9885部であり、この10年間で約180万部の部数減に至っている。
この間、世帯数は、4681万1721世帯から、5287万7802世帯へと増加しているので、1世帯当たりの部数は、1.15部から0.95部に減少している。
団塊の世代のリタイヤや若者の新聞離れなどさまざまな理由が考えられるが、販売促進を新聞の折り込みチラシに依存してきた流通業界にとっては、大きな転換期を迎えていることに間違いない。
実際、「ポスト折り込みチラシ」時代を迎え、ケータイやスマートフォンを活用した販促が注目を集めている。
そうした中でチラシをやめ、FSP(フリークエント・ショッパーズ・プログラム)としてのポイントカードへの注力を宣言するのは、この3月1日から食品スーパーのさえき(東京都)の社長に就任した長谷川徹氏だ。
「20%のお客さまが80%の売上をつくっている。その中での目玉商品の安売り(=ロスリーダー)は、チェリーピッカーを増やすだけで、本当に大事なお客さまには販売促進費が届いていない。しかも、かつて目玉商品としての役割を果たしてきたキユーピーマヨネーズ(500g)やネスカフェゴールドブレンド(150g)などは、いまや誰もが欲しいという最大公約数ではなくなっており、代わって自分が購入する商品の価格を下げて欲しいという要望が強い」。
こうした販売促進上の問題を一気に解消するのがポイントカードによる消費者への還元だという。
現在、さえきは、「ふれあいカード」の呼称でポイントカードを発行。買上金額210円につき、1ポイントが加算され、ポイント500点で「割引券500円」をもらえる極めて典型的なものだが、今後これがいかに進化させていくのか注目したい。
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