小沢鋭仁環境大臣を取材した
青く美しいわれわれの地球が悲鳴をあげている。世界中の氷河が消え失せ、巨大な台風や竜巻が吹き荒れる。チャド湖などの湖は枯れ果て、太平洋の島国ツバルは沈没の危機に、アマゾンの熱帯雨林は消滅しつつある――。
この2月17日、小沢鋭仁環境大臣は「地球温暖化対策に係る中長期ロードマップ」を発表した。1990年を基準年にして温室効果ガス排出量を2020年までに25%削減(=「チャレンジ25」)、2050年までに80%削減するための試案。就任以来、具体策の提示が課題になっていただけに、期待が高まるところだ。
部門別に見て行くと、流通業界とかかわりの深い「家庭」部門を2020年までに現状(=2005年)比で約50%削減、「業務」部門を約45%削減すると謳っている。今後、さらに具体的なプランとして落とし込む。
地球温暖化を食い止めなければならないことは、誰もが頭では分かっている。しかし、「総論賛成、各論反対」で、自分に求められる我慢は誰もが率先しては引き受けようとしない。
小沢環境大臣に「小売業界に一言」と水を向けると、「店舗は排出される廃棄物などすべてを資源として活用して廃棄物を出さないゼロエミッションにしてほしい」と訴えた。
さあ、この要望をいかに受け入れていくのか?
われ、関せずとそっぽを向くのか?
「チャレンジ25」は、これまでのレベルでの「省エネルギー」「廃棄物削減」「包装資材削減」くらいではとても届かない。環境対策に熱心な一部の企業のガンバリだけでも到底到達できない。
このことは流通業界だけでなく、全産業、全企業、全生活者が、自らも痛みを負うかもしれない“スタート”を始めなければならないことを意味する。100年に一度の不況の中でこれができるかどうかに、46億年と言われる地球の寿命がかかっている。
アル・ゴアアメリカ元副大統領が『不都合な真実』で書いたとおり、地球温暖化は「政治や科学の問題ではなく、倫理の問題」なのである。
(詳しくは『チェーンストアエイジ』誌2010年3月15日号 小沢鋭仁環境大臣インタビューで)
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