「高品質」にこそオーケーの本質がある
『質』を追っている企業は元気がいい。飽和した市場で『量』を追えばどうしても価格競争に陥ってしまう。そこで、新しい『質』を創りだして市場に提供できるかどうかが大事である。その際の『質』とは同質であってはならない。他社との比較でレベルがちょっと高いという程度ではだめであり、異質でなければならない――。
元花王会長の常盤文克さんは、著作『モノづくりのこころ』(日経BP社)の中でこのようなことを書いていた。
飽和した食品スーパー市場で躍進しているのがオーケー(東京都/飯田勧社長)だ。オーケーは単なる「ディスカウントストア」として括られてしまうことが一般的だが実はそうではない。基本方針は「高品質・Everyday Low Price」であり、安売りの前に高品質がきている点は見逃せない。
ここがオーケーのオーケーたる所以であって、異質化の神髄と言える。インタビューの中で「同業他社と同じことはやらない。違うことばかりをやっている」と力を込めた飯田社長は、今日も異質なディスカウントストアづくりに努めている。
『チェーンストアエイジ』誌 2010年6月15日号
千田直哉の続・気づきのヒント の新着記事
-
2024/07/03
「何にでも感激する経営者」の会社が業績が良い“意外な”理由 -
2024/06/07
経費率16%なのに?ローコスト経営企業が敗れ去るカラクリとは -
2024/05/23
キットカットをナンバーワンにしたマーケター「アイデアより大事なこと」とは -
2024/04/15
スーパーマーケット業界のゲームチェンジャー、オーケー創業者・飯田勧氏の経営哲学とは -
2024/02/23
「ダイソー」創業者・矢野博丈さんが「会社は潰れるもの」と考えて経営にあたった真意 -
2023/10/30
スポーツの番狂わせと企業の好調要因がどちらも「偶然」ではない理由
この連載の一覧はこちら [1787記事]
![千田直哉の続・気づきのヒント](https://diamond-rm.imgix.net/wp-content/uploads/2021/05/20210514_chiefblog.jpg?auto=format%2Ccompress&ixlib=php-3.3.0&s=ebefbdfd159307ddf75e7a10016248a0)