流通小売業とメーカーの関係性 相互評価システムのグローバル・スタンダード
「アドバンテージ・プログラム」世界43カ国・500社以上の企業が採用、業務改善・戦略立案での活用すすむ
ウォルマート、カルフール、メトログループが採用
アドバンテージ社は1988年にカナダ・トロントで設立されたB2B専門のメーカー・小売間のCSM(顧客満足度)調査会社。企業ミッションとして、「製販流通のクライアント企業に定期的なベンチマーキング調査を通じて、より双方の利益につながるコラボレーションを実現するためのお手伝いを行う」を掲げる。
北中南米、欧州、アジアを中心に世界43カ国において500以上の企業(流通小売業・メーカー)に採用された実績を持ち、食品、日用雑貨、ヘルスケア、医薬品などのカテゴリーを中心に調査分野を拡大している。同社は製販の関係構築を進化させる体系的なベンチマーキング調査『アドバンテージ・プログラム』(製販相互評価システム)を最初に開発した企業として知られている。『アドバンテージ・プログラム』による年間の評価をまとめたレポートは、流通小売業とメーカー間の関係構築の強化や競合他社との競争優位性を確保する事業計画策定に役立てられている。
流通小売業ではウォルマート、ターゲット、アルバートソンズ、カルフール、メトログループが参加しているほか、メーカーではP&G、ネスレ、ペプシコ、ダノン、ジョンソン&ジョンソン、ヘンケルなどグローバルブランドが参加している。
日本ではメーカー49社、流通小売業40社が参加
日本市場では、2012年から「ジャパンプログラム」を開始して以降、年々メーカー、流通小売業ともに参加企業が増え、2018年度の実績では、メーカー49社、流通小売業40社が参加している。基本、メーカーは有料で参加、流通小売業は無料で参加できる。
参加している流通小売業は、主にGMS・SM、ドラッグストア、ホームセンター、コンビニエンスストア、卸売業など。メーカーは商品カテゴリーごとに、日用雑貨、ホーム・パーソナルケア、ペットケア、OTC医薬品、店舗調査、食品、菓子、乳製品、飲料、アルコール、たばこなど多岐にわたる。
『アドバンテージ・プログラム』は、流通小売業がメーカーを評価するプログラムとメーカーが流通小売業者を評価するブログラムに分かれている。
「ADVANTAGE SUPPLIER」では、取引関係とサポート、人と組織、カテゴリー開発、消費者マーケティング、トレードマーケティング・販促企画、物流・サプライチェーン、カスタマー・サービスなど29の評価項目で、流通小売業がメーカーを評価する。
「ADVANTAGE RETAILER」では、関係構築とサポート、担当者/組織、カテゴリー開発とサポート、店舗展開力、物流・サプライチェーンなど29の評価項目で、メーカーが流通小売業を評価する。
相互評価システムで製販のwin-winの関係構築
「ADVANTAGE SUPPLIER」では参加メーカーは、参加流通小売業の役員(商品部長)、バイヤー、物流担当者による29の評価項目に関する回答を基に集計・分析したレポートを受け取れる。参加メーカーは、業界内の自社と競合他社のポジションがわかるほか、参加流通小売業が重視している項目に関する情報を得ることができる。さらに、最優良メーカーと自社のギャップに関する情報も得られる。参加メーカーのメリットとしては、自社の強みと弱みを考慮した戦略立案が可能になるほか、改善すべき点が明確にわかるため、流通小売業との良好な関係構築に役立てられる。
「ADVANTAGE RETAILER」では、参加メーカーの役員(営業本部長)、マネージャー、担当者による29の評価項目に関する回答を基に集計・分析した評価レポートを流通小売業が受け取れる。評価レポートでは、他の流通小売業とのベンチマーク比較が可能なほか、競合他社との競争優位性の明確化や主要メーカーとの関係構築を強化する分野の発見・改善点が把握でき、全社的なKPIとして採用することで、事業計画と連動させる活用も増えている。
アドバンテージ社の日本代表を務める大宅雅之 氏は、「『アドバンテージ・プログラム』に参加している流通小売業、メーカーとも定量・定性の相互評価によって、双方の優先事項や期待・要望を把握できるだけではなく、相対比較もできるため、関係構築の強化、行動計画の策定や戦略立案レベルでの活用も広がっている」と語り、今後、採用企業の拡大に向けた取り組みを強化していく。
2019年度には、流通小売業、メーカー合わせて、約100社が『アドバンテージ・プログラム』に参加する見込みだ。
『アドバンテージ・プログラム』の概要は下記HPから
https://www.advantagegroup.com/japan/who-are-we