再値上げに、再々値上げも……2022年末と2023年の「値上げラッシュ」をまとめて解説
2022年は未曽有の「値上げラッシュ」の1年となった。帝国データバンクが行った「食品主要105社」価格改定動向調査によると、2022年10月の6699品目というこれまでにない品目数の一斉値上げにより、ピークは越えたとしている。続く11月には882品目、12月には175品目と価格改定は1000品目以下となり、一旦落ち着きを見せている。しかしながら、値上げの要因ともなっている為替要因は遅効性があり、原油をはじめとしたエネルギー価格の高騰も続いており、2023年も企業には各種コスト圧力がかかり続けることとなる。本稿では、2022年11~12月の値上げ品目をまとめその傾向を見ていくとともに、2023年の値上げついてレポートする。
「物価の優等生」にも値上げの波!
世界的な政治経済状況の不安定さと円安基調が大きな要因となり、各種消費財やサービスの値上げが止まらない。
帝国データバンクの調査によると、2022年の食品値上げは2022年11月30日時点で累計2万822品目となっており、年間の平均値上げ率は14%となっている。2022年10月の値上げのピークから落ち着いたとはいえ、2021年度と比較すると価格を改定した品目は多く、年内も各企業や各種品目で値上げは続いている。「物価の優等生」と言われる鶏卵も11月の卸値が過去30年で最高値になるなど、家計の負担が重くなっているのは間違いない。
2022年11月に値上げされた882品目中、最も生活へのインパクトが大きな品目は、やはりパック牛乳や調味料などの日配品だろう。
飼料価格の上昇による生乳価格の引き上げが要因となり、ヨーグルト製品や乳幼児向けの粉ミルクなどの価格が引き上げられた。乳製品の値上げはチーズやバターなどの値上げが一斉に行われた22年4月に次いで年内では2番目の多さとなった。
消費期限が短いというこれら商品の特性上、買い置きや買いだめが難しいうえに、日常生活で頻度高く購入されるため、価格改定は家計への経済的なインパクトはもちろん、心理的な負担感も増長させることだろう。
2023年も値上げラッシュは続く!?
11月で最も値上げの多かった品目は、マヨネーズや焼肉のたれ、ドレッシングなどの調味料で、品目全体の約4割を占めた。原因としては、水産品や砂糖、物流費や包装資材などの高騰が挙げられる。そのほか、酒類や菓子類、外食も値上げ、一部商品は「再値上げ」も行っている。
12月の値上げは現時点では調味料やゼリー類、砂糖など175品目。値上げ品目数が年内最少となっているものの、ここで値上げが収束したわけではない。2023年はすでに累計4000品目以上の価格改定が予定されており、ここからさらに値上げが起こる可能性もある。