その名を知らずに月間3000万人以上が利用する「マイベスト」とは
「空気清浄機 おすすめ」「ファンデーション ランキング」などとGoogleで検索すると高確率で上位に表示されるサイトを知っているだろうか。商品の徹底比較記事に定評がある「マイベスト」(東京都/吉川徹CEO)だ。利用者のほとんどがその名前を認識していないにもかかわらず、月間で3000万人以上が閲覧。日本人の4人に1人が日常的に利用している計算だ。コンテンツ制作と広告セールスの責任者に、比較検討層の心をつかむ秘訣と、今後の展望を聞いた。
月間3000万人以上が閲覧する秘訣は“徹底検証”
買い替えを検討している家電やコスメ、今まで使った経験のない育児用品などを購入する時、インターネットでそのジャンルの「おすすめ」や「ランキング」をクロス検索し、まずは情報収集をする人は少なくないだろう。その際に高確率で検索結果のトップに表示されるサイトが「マイベスト(my best)」だ。
月に50本程度の新記事を掲載するマイベストでは、約1万4000本ある記事のうち、2000本で各ジャンルの主要な商品の相対評価をランキング形式で紹介している。比較記事はそれぞれのジャンルに最適な専門家を社内に置き、実物を使用して徹底的に検証を行なっているのが大きな特徴だ。さらに各ジャンルの担当が月に1度ほどの頻度で新商品をチェックし、手に入り次第、同条件で個別に追加検証。リアルタイムに近いかたちで最新の情報が更新されている。
多様な商品をおすすめランキング形式で紹介するサイトが無数にある中、同サイトが検索結果の上位に掲載されやすい理由は何か。それは、Google検索が実際の経験や信頼性、専門性などを評価の基準にしているからであり、実際に商品を使用して検証した記事をコンスタントに掲載する同サイトが優遇されているというわけだ。
ところが、2023年5月に「購入する時に参考にするサイト」を尋ねた調査で「マイベスト」と自発的に答えた人はわずか1%だったという。月間3000万人の利用者の多くは、そのサイトが「マイベスト」だと認識せずに閲覧していることになる。
同サイトで取り扱うジャンルは「世の中にあるものすべて」(マイベスト執行役員 コンテンツ部長 佐藤柚果氏)と広く、約200人いる社員のうち半数以上の人数で記事を内製している。ネット購入だけでなく、実店舗で購入する前に閲覧されるケースも多く、コスメやキッチン雑貨や日用品、ガジェットなどのモノだけでなく金融商品まで、全体的にどのジャンルも遜色なくPV数はあると佐藤氏は説明する。