変化するカスタマージャーニーに小売・流通はどう対応すべきか
小売は物販を通じたコミュニケーション・カンパニーになるべき
消費者の購入プロセスは従来、AIDMA(アイドマ)のようなプロセスを辿ると説明されてきた。しかし、近年デジタル時代には「ブランドを推奨する意思」の表明が重要となると考えられている。このようなカスタマージャーニーの変化に小売・流通はどのように対応すべきなのだろうか。
茨城県を中心に食品スーパーを展開するカスミの髙木氏は、口コミがSNSやGoogle Mapsでも行われるようになっていると語る。チラシで価格を競い合うだけでは、顧客に推奨されない時代になっているのだ。
トランスコスモスの本多氏は、今後小売業は物販を通したコミュニケーション・カンパニーになるべきだと考えている。トランスコスモスでは以前から、デジタル・マーケティング、Eコマース、コンタクトセンターを一気通貫でつなげることで企業をサポートしてきた。近年はここに実店舗を加え最適化するニーズが増えている。いわゆるOMO(Online Merges with Offline)である。
そんな流れの中で生まれたのがOMOサービス「Gotcha!mall(ガッチャモール)」だ。現在会員は1500万人前後。送客が図れるだけでなく、来店頻度の確保、クーポンの出し分けによる客単価や買い上げ点数のアップなど、出店小売にとって導入メリットは大きい。
カスミでは3年前の立ち上げ時から導入。それまでは紙のクーポンのみだったためスマホを持っていない経営陣の説得に苦労したという。現在では、カスミの運営する188店舗すべてに導入されている。
クーポンのバーコードをスキャンするだけというレジオペレーションの良さもあり、とくに大きな混乱もなく定着。毎月70万〜80万の会員がプレイしており、客単価の向上に繋がっている。メーカーとのコラボやクロスMDガッチャの活用で、販売数量だけでなく関連商品の併売件数も上昇した。
今後は動画も配信できるようになり、商品の背景にあるストーリーを伝えることができるようになる。メーカーの思いを直接伝えることでさらなる売上アップに繋げられるのではないかと期待しているという。デジタルを介して「顧客の推奨」を得る新しい取り組みになりそうだ。
各プログラムの詳細
下記画像リンクから、各プログラムの詳細をご覧いただけます。