圧倒的に高い生産性の働き方とシステム構築 〜あなたの会社のやり方は間違っている〜

ダイヤモンド・リテイルメディア 流通マーケティング局
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ロケスタ株式会社 代表取締役社長 長谷川秀樹氏

「オンライン」「超並列」「同時編集」が不可欠

DX化がただのペーパーレス化になっていないか

 デジタル化といえば、「領収書をOCRでデジタル化する」「紙を減らしてiPadを配布する」というような施策を実施している会社が多いが、紙を使わないことがデジタル化ではない。また、社内向けAIチャットボットを入れることでもない。中身を変えなければ意味がない。

 一部の新興企業はすでに、紙というものすら忘れ、オンラインで、超並列に仕事を進めるフェーズに進み、生産性を上げている。

 紙を忘れてオンラインの世界に特化すれば、リンクによって同じドキュメントに複数人がアクセスし「超並列」に作業することができる。スケジュールや場所の制約を受けて「聞いていない」人をなくすことができるだけでなく、上司の承認のログもすべて残る。会議をしながらドキュメントを全員で「同時編集」すれば、会議の議事録は常に編集され共有されることになる。

 データを同時に編集することに不安を感じる人はいるかもしれないが、ファイルをいちいちフォルダ管理するのは紙のバインダー管理をそのままデータで行っているだけであり、ナンセンスだ。「どのファイルだ」「そのフォルダだ」と情報を探す時間が無駄になってしまう。

 議案の真下に議事録があれば圧倒的に見やすいし、間違いがない。前の会議の内容を確認するのもスクロールをするだけだ。後日上がった資料を見て上司が頭を抱えることもなければ、逆に部下が上司の朝令暮改に振り回されることもない。

 これは経費処理などにも応用できる。社員の経費決済をすべてカードにすれば、会社はリアルタイムでどこでいくら使ったのか把握できる。紙の領収書に悩まされることもなくなる。

 あなたは普段、A4やA3など出力形式やOCR化を念頭において資料を作っていないだろうか。本当の意味で「紙を忘れる」ことが、DX化の近道なのだ。

真のDXにはチームビルディングが必要

 「超並列」なプロジェクト進行にはさまざまなメリットがある。最も顕著なのは、生産性が上がることだ。よく「複数の仕事を同時に回している」という人がいる。しかし、実際は時間や場所の制約を受けながら、「直結に回している」ことが多いのではないだろうか。

 たとえば、「超並列」であれば、経営会議である役員が説明している間に他の役員がドキュメントに質問を追記できるので、時間はあまりかからない。さらに、その会議中に他のプロジェクトの運営も同時に行うことができる。当然だが、このような仕事の仕方を行えば生産性は非常に高い。

 複数会議に並行して参加することで、多忙なスケジュールがボトルネックになることがなくなる。「場所」「時間」からの解放が真のDX化のメリットだ。

 対面に人がいるのにスマホやPCをいじっているのは失礼だと感じる人も多いかもしれないが、本気で仕事を効率化させるのであれば、オンラインよりもオフラインを優先すべきだという文化も変えていかなければならない。

 このようなオンライン上のコミュニケーションをスムーズに行うために、メルカリでは毎週全チーム員と30分以上1 on1の面談を行っている。オンラインで進めるからこそオフラインのチームビルディングに大変な時間を割くのだ。

 深い信頼関係があれば、リモートワークも過剰な管理・監視なしにスムーズに進む。さらに、会議の基本時間を60分から30分に減らしたことで、短時間で共有・決定ができるようになり、業務が効率化した。

 今後、事業の収益性が低くなり、少人数の組織が増えると予想される中、効率が良く階層が少ないフラットな組織になることこそ、小売業の生き残りの道なのではないだろうか。

各プログラムの詳細

下記画像リンクから、各プログラムの詳細をご覧いただけます。

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