ユーロ圏の共通決済システム、20年末までの完全普及へ取り組み加速
[ブリュッセル 26日 ロイター] – 米フェイスブックなどのテクノロジー企業が金融分野に進出する動きをみせる中、欧州の金融業界関係者は、ユーロ圏ですべての銀行が共有するリアルタイムの決済システムを2020年末までに導入することは可能との見解を示した。
リアルタイムの決済システムは2017年からユーロ圏で利用可能となっているものの、このスキームに参加する域内の銀行は約半分にとどまっており、主に国内の決済に使用されている。
しかし、仮想通貨を通じて決済サービスを提供するフェイスブックの計画などで、この取り組みは加速する可能性がある。
スペインのサンタンデールやドイツ銀行、仏ソシエテ・ジェネラルなど民間銀行で構成される欧州決済協議会(EPC)のトップ、Etienne Goosse氏は「時間は刻々と過ぎている」と指摘。フェイスブックの決済分野への進出が成功するかどうかにかかわらず、ハイテク大手の進出の流れは続くとし、銀行は対応を急ぐ必要があるとの認識を示した。
また、決済サービスでEPCの基準を採用しているのはユーロ圏の銀行・決済サービス機関の約60%だとした上で、2020年末までにはすべての機関による採用が可能だと述べた。
他の業界関係者も2020年は確実な目標との認識を示した。ただ、オランダ国内の決済システムの共同開発などを手掛けるダッチ・ペイメンツ・アソシエーションの最高経営責任者(CEO)は、このシステムが域内全般で機能するには既存の異なる決済メカニズムを「相互運用することが課題になる」と指摘している。