商品の仕入れ、開発にもDXの波!? 注目の新サービス「デリズマート」に見るバイヤーの未来
高質スーパー3社が導入へ
食品ブランド1000社をめざす
「デリズマート」では、まずは初期のアプローチ先を高質食品スーパーと設定しており、すでに3社との取引が確定しているという。プラットフォームに乗る食品ブランドについては、食品スーパー側からの要望を受けて大きく増やす計画で、23年春頃をめどに1000社まで広げたい考えだ。すでに、前述した付加価値型の原料を持つサプライヤー以外に、加工食品や冷凍食品カテゴリーの食品ブランドなどとも提携交渉が進んでいるという。
「デリズマート」の構想段階では周囲から「既存の卸売企業の存在もあり参入障壁は高いのでは」「食品スーパーが実績のない企業のサービスのために口座を開けたりしない」など、懸念の声をかけられる事が多かったそうだ。しかし、食品スーパーさらには食品ブランドの現場からもすでに好感触を得ているようだ。
「デリズマート」は現段階ではベータ版の提供だが、導入費用は実質無料ということもあり、本格稼働した際には導入する企業は少なくなさそうだ。今後の導入の広がりや、実際に食品小売業の現場にどのような効果をもたらすのか、非常に注目のサービスである。
同社の登場から言えることは、食品小売業界のDXが進むなか、商品の仕入れ、開発までデジタル活用の波が訪れていると言うことだ。こうした動きが加速すればデジタル活用の巧拙が、バイヤーの能力の優劣を、さらには食品スーパーの生命線とも言える商品政策、商品の競争力を決める時代になってくるかもしれない。
【デリズマート 会社概要】
所在地:東京都中央区銀座6-13-16 銀座ウォールビル5階
代表者:代表取締役 CEO 上村 友一
設立 : 2021年2月5日
資本金: 1750万円 (資本準備金含まず)
上村 友一 代表取締役 CEO
1988年1月生まれ。東京都出身。2008年3月東京調理師専門学校卒業。2008年4月(株)ひらまつ入社。アジェントASO配属。ミシュランガイド2つ星獲得。欧州レストランで修行後、大手携帯通信キャリアの営業職に従事。2019年8月 食品OEMプラットフォームを展開するフードテック企業を創業。代表取締役就任。2020年10月退任。2021年2月(株) デリズマート創業。代表取締役就任。