「PLUS」業態の最新店「肉のハナマサPLUS 押上店」をレポート!

榎本 博之(経営コンサルタント事務所 アズライト代表)
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花正(東京都/富澤夏樹社長)は「肉のハナマサPLUS 押上店(以下、押上店)」を東京都墨田区の「押上」駅前に5月29日にオープンした。同社が展開する「PLUS(プラス)」は「都市型ホールセール」を掲げる「肉のハナマサ」が中心に据える飲食店・プロ客へのアプローチに加えて、一般客に向けて家庭での調理シーンを強く意識した店舗だ。その最新店の店づくりをレポートしよう。
視察日=2024年6月29日 ※本文中の価格はすべて本体価格

「肉のハナマサPLUS押上店」は「押上」駅から徒歩1分の建物の1階に出店した

ライフ大型店の目と鼻の先に立地

 同店は東京メトロ半蔵門線、東武スカイツリーライン、都営浅草線、京成線が乗り入れる「押上」駅から徒歩1分の場所、以前はパチンコ店があった場所に立地する。スーパー大手ライフコーポレーション(大阪府/岩崎高治社長)の大型店「ライフ セントラルスクエア押上駅前店(以下、セントラルスクエア)」とは直線距離で100mと離れていない。

 「肉のハナマサPLUS」のストアコンセプトは「For professional plus For consumer」(プロと消費者向け)であり、既存のプロ仕様、業務用用途に加えて、一般消費者にターゲットを広げた営業形態となっている。営業時間は24時間で、視察時は単身高齢者、節約志向のファミリー層、外国人観光客など、セントラルスクエアとは異なる客層の利用が数多く見られた。周辺にはセントラルスクエアのほか、売場面積100坪前後の競合店が点在している。

 押上店の売場レイアウトはスクエアではなく、いびつな形をしている。入口は1カ所で、青果から和日配、精肉、洋日配、鮮魚で壁面が構成され、総菜の取り扱いはない。中央はグロサリーと冷凍食品を配置。冷凍食品は売場中央スペースの大部分を占め、取り扱いアイテムが充実している。通路幅は通常のハナマサ業態よりも広く確保され、エンドや売場のパネルにはデザインされたサインが掲示されている。

青果は定番を軸にスポットで価格訴求

 主要部門の売場を見ていこう。青果は冷ケース12尺、平台3台、特設コーナーで構成されている。平台は果物1台、野菜2台で使用されている。果物は品種を多く扱い、メロンは6SKU、玉売りスイカ4SKU、パイン3SKUなどバリエーションが豊富なイメージを演出している。

 野菜はピーマン、ナス、大根、キャベツ、ジャガイモ・玉ねぎといった土物野菜など購入頻度の多いベーシックなアイテムが中心となっている。ピーマンとナスはレギュラーサイズと大袋サイズが併売されていた。

 また、平台では定番品の間に市場から仕入れたスポット品を陳列している。39円のサラダ菜、2束50円のニラ、58円のバジル、突き出し陳列で98円のマッシュルーム、398円の箱売りトマトなど価格訴求の強いアイテムを売場各所で展開し、購入機会を創出している。

青果売場で販売されていたスポット品。58円のバジル、98円のマッシュルーム、398円の箱売りトマト。価格訴求力の強い商品を売場各所で展開している

 ほかにも小松菜、水菜、サニーレタスなど2ケタ売価アイテムはあるが、全体的には価格は高めの設定が多い。レギュラーのバナナは188円、大根の2分の1サイズ158円(平台の大根は1本150円)というように、競合他店と比較しても高めの設定であるようだ。

 また、カット野菜は3SKUのみの展開で、青果ではなく日配のチルドサラダのコーナーと併売されていた。カットフルーツの取り扱いはスイカを含めて行っていなかった。このため、少量や即食については割り切った対応を見せている。

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