メリハリある品揃えと細やかな情報発信に注目!「フードストアあおき東京豊洲店」レポート

榎本 博之(経営コンサルタント事務所 アズライト代表)
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牛肉に存在感の精肉売場、見た目の鮮やかな商品を差し込む総菜売場

 精肉は鮮魚から続くかたちで牛肉が約18尺と、こちらもスペースをしっかり確保して売場を展開し、存在感がある。「ステーキ」「焼き肉」「すき焼き」と用途別のグルーピングとなっており、山形、鹿児島の国産2種をメインに、輸入牛を織り交ぜた構成となっている。その中でもとくに目を引くのがA5ランクアイテムだ。シールを貼付して品質の確かさをアピールしている。ジャンボパックや小分けサイズはなく、1アイテム1量目が基本となっていた。

牛肉コーナーではA5等級の和牛のラインナップが目を引く

 牛肉の隣では、イノシシやカモといったジビエ系のアイテムを期間限定で取り扱っており、さらに奥に進むと、牛肉コーナーより背の高い多段ケースで、豚肉、鶏肉を展開する。豚肉と鶏肉はいずれもブランド肉が中心で、2種類以上の取り扱いで品揃えの幅を広げている。こちらも牛肉と同様、1アイテム1量目であった。色分けされたショーカードや重点商品では詳しい商品説明が記載されたPOP掲示するなど、視覚的な区分けを行うことで、精肉で起こりがちな乱雑な印象を解消する工夫もみられた。平台では、切り落としをはじめとしたお買い得品やローストビーフといった総菜系のアイテムを販売していた。

平台ではローストビーフなどの即食や価格訴求の切り落としなどを陳列していた

 売場最終コーナーは、総菜とインストアベーカリーである。オープン型のバックヤードとなっており、調理場の動きが売場から見えるようになっており、賑わいを生み出している。商品ラインナップは全体的にベーシックな商品が中心だが、「パエリア」や「油揚げ五目巻き」など、見た目の鮮やかな商品が差し込まれており、魅力的な売場となっている。油揚げ五目巻きは、商品をカットして、中身がわかるようになっている。このようなひと手間かけた商品化も、あおきのイメージアップにつながっていると言っていい。デザートでは、あおき自家製のアイテムを揃えており、焼プリンや杏仁豆腐は定番の人気の商品となっているようだ。

総菜売場で販売していた「油揚五目煮」(2個468円)。断面を見せることでどのような商品か一目でわかるようにしている
オリジナル商品の焼きプリンと杏仁豆腐

 東京豊洲店では、どの部門も通路幅をしっかり確保しながら、高さのある立体的な陳列で視覚的なインパクトを与えており、お客にとっては選びやすい売場となっている。売場全体を通して、豊富な品揃えをベースに、メリハリのある重点商品のコーナー展開と陳列、商品の価値を判断しやすいPOPでの情報発信が徹底されており、それが店の魅力となっている。

(店舗概要)
所在地 東京都江東区豊洲2-1-14
開店日 2006年10月
営業時間 10:00~22:00
アクセス 「豊洲」駅から徒歩約3分

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