シャディ「亜州太陽市場」千歳船橋店がオープン ファミリー層がメーンターゲットの理由とは
地域連携の取り組みと今後の戦略とは
こうして1号店より品揃えを拡充し深掘りする一方、地域との連携を一つの基軸として重視、千歳船橋の隣の駅である経堂にある人気タイ料理店「タイ屋ソンタナ(SALA SONTANA)」の人気メニューを弁当や総菜の形で販売する。
なお、1号店では、新大久保の韓国料理・延辺家庭料理店「金達莱(きんたつらい)」の人気メニューを、総菜や弁当の形で同店限定商品として販売していたが、現在は休止している。
「総菜・弁当は試行錯誤中で『千歳船橋店』で仕切り直し、今後も地元のアジア料理店と組んで展開していく。『亜州太陽市場』はインバウンドが消失し、それをリカバリーするため、立ち上げた新業態の一つ。海外旅行で現地で味わったものを提供し、訪れた場所を想起し旅情を感じてもらうストーリーの詰まった店舗だ。ファミリーが多く住んでいる地域に出店し、週末、スパイスなどを使って本格的な料理を楽しんでもらいたい」(飯田健作ラオックス社長・シャディ会長兼社長)
商品政策については、オリジナル商品の開発も進めていくが、現地での商品調達にもこだわり、本物・本場のアジアの味を日本の食卓に届ける役目を担う。
実際、1号店の顧客調査の結果、品揃えではポジティブな評価を得ている。一方で、悩ましいのが価格に対する評価だ。顧客からは高い・安くないとする評価が多く、最近の円安傾向もあり悩ましい点だ。飯田社長は「決して価格を軽視することはなく、価格は重要だと考えいるが、あくまでも『バリューフォアマネー』で勝負したい」意向だ。
これからの店舗展開は、3号店を売場面積175㎡の規模で、「浜田山店」を東京都杉並区に7月22日にオープン予定。京王井の頭線浜田山駅から徒歩1分で、「千歳船橋店」も駅から徒歩1分、1号店の「吉祥寺店」は徒歩3分。3店とも駅前立地の路面店だ。
当面の出店は物流の効率化も考えドミナント化を優先。同時に商業施設への出店も考えている。
「亜州太陽市場」の競合相手としては、「カルディーコーヒーファーム」と「ドン・キホーテ」、イオンの「カフェランテ」などが想定されるが、「亜州太陽市場」はアジアに限定した専門店。
飯田健作会長兼社長は、アジア食品は今後可能性のあるマーケットと認識しており、リアル店舗についてはフォーマットを確立させながら、店舗の情報発信力も高めて、多店舗展開を図っていく考えだ。
さらに、「亜州太陽市場」の品揃えや雰囲気を体験することができるメタバース空間の新たなタッチポイント「亜州太陽市場バーチャルストア」もスタートさせた。
エスニックマーケットはアジアがメーンで、スーパーマーケットでも一定の取り扱いがあり、消費者にも認知されている。今後、さらに専門性と情報の受発信能力を高めて、取り扱う地域や品ぞろえも拡充し、リーズナブルな価格で提供することで、需要を喚起し掘り起こすことが求められている。