漬物・キムチ市場、料理素材としての魅力を訴求し メニュー提案でユーザー拡大を

文:石山 真紀(フリーライター・売場研究家)

図表 漬物全体とキムチカテゴリーの金額PIおよび金額PI対前年推移

アレンジレシピの提案で若年層の興味をひく売場へ

 漬物はご飯のお供のイメージが強いが、おにぎりやチャーハン、炒め物の具材など、料理素材としての魅力もある。マルハチは「山形のだし」を燻製風味にした「がっこだし」を新発売。ご飯にかけても、チーズと合わせたおつまみメニューにも使いやすく、燻製の香りと独特の食感が楽しめる。

 またキムチについては白菜だけでなく、「オイキムチ」や「カクテキ」など原材料によるバリエーションもあり、キムチ鍋や肉野菜炒めなど汎用性の高さで、ファミリー層に支持されている。

 東海漬物では基幹ブランド「こくうまキムチ」をリニューアル。かつお魚醤とイカごろの使用量をアップしたほか、「超特選丸大豆醤油」を新たに使用し、よりご飯に合う味わいに仕上げた。さらにエリア限定品として展開していた「辛くなくて食べやすいこくうま」を今秋より全国展開に切り替えて新発売する。

 現在、中高年層のユーザーが多くを占める漬物類だが、今後、カテゴリー全体を再活性化させていくためには、若年層が手に取るきっかけを増やすことがポイントとなる。また漬物の塩分を気にする消費者も増えているが、近年は減塩タイプの商品も出ているので、POPなどを使用し気付きを与えることも有効だろう。

 ご飯のおかずとしての定番商品のラインアップに加え、季節商品の紹介やレシピ提案を行うことで若年層を含めたトライアルを獲得していきたい。

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