「社長に内緒で」シリーズがSNSで話題! 綿半の食品PB、ヒットの裏側と新展開とは

2023/10/12 05:59
聞き手:中原 海渡 (ダイヤモンド・チェーンストア 記者)
構成:シュウ・ライターズ
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ユニークな食品PBの開発の裏側!

 思わぬかたちで消費者を驚かせた「社長に内緒で」シリーズだが、これら食品PBはどのようなプロセスを経てつくられているのだろうか。開発体制やブランディングの裏側について聞いた。

 綿半パートナーズが現在の開発体制になったのは2020年だ。当時、食品PBの開発を行うフードスタイルクリエーションセクションのメンバーを5人増員し、体制を強化した。それまでは山崎氏の専任だったが、異なるバックボーンを持つ2060代の社員を加え6人になったことで、各自の経験を生かした商品を開発できるようになった。開発にあたり、コンセプトは「プレミアム感や満足感のある商品」で、顧客目線に立つことを重視しているという。

 商品のネーミングやパッケージデザインなどは、別の部署のブランドマーケティング部門が担当する。同部門は女性スタッフのみで構成され、ブランドコンセプトや商品価値にマッチしたデザインやロゴ、マスコットなどブランディングにかかわる部分を戦略的に検討していく。

 ブランドマーケティング部門の人員は、社内公募を行うなどグループ力を生かして登用している。他社の多くが外注しているデザイン領域を内製化することで、開発コストの削減にも大きく貢献している。

「高質でユニークなPB商品を生み出せる理由は『多様な人材の適材適所への配置』であり、それを実現できる『グループ全体の風通しのよさ』が当社の強みだ」(山崎氏)

 綿半パートナーズが現在、「社長に内緒で」シリーズに次ぐ新たな一手として注力している食品PBが、冷凍弁当「レイトウco.(コ)」シリーズだ。冷凍弁当は一般消費者以外に給食や介護食として企業が購入するケースが多く、市場規模は1兆円を超える。そこに注目した綿半パートナーズは、冷凍弁当の課題である加熱ムラを長年の挑戦と努力により解消した同シリーズを打ち出し、現在の売上は計画比約120%で推移している。

 綿半ホールディングスは235月時点で、食品の売上に占めるPB商品の構成比を11.3%まで上げている(214月時点では5.6%)。山崎氏は「今後はグループ内だけではなく他社店舗でも売るなど販売チャネルを拡大したい。目標は売上100億円を超えるヒット商品の開発と、売上構成比50%の達成だ」と話す。

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聞き手

中原 海渡 / ダイヤモンド・チェーンストア 記者

神奈川県出身。新卒で不動産仲介業の営業職に就き、その後ライター/編集職に転身。

2022年10月に株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア入社。ダイヤモンド・チェーンストアオンライン編集部記者として記事執筆・編集を行う。

趣味は音楽鑑賞(ポップス/ロック)と、最近はレコード&カセット収集。フィジカルメディアが好きで、本も電子書籍より実物派。

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