「地元で採れた新鮮野菜を地元へムダなく届ける」青果流通の改革者が築く新常識
─「es-Marché」の開発の経緯についてお聞かせください。
相原●以前、埼玉県のほうれん草生産者から、生産物のほとんどを大田市場に出荷し地元の市場には出していないというお話を聞きました。埼玉県内のスーパーは大田市場からそのほうれん草を仕入れ、トラックで輸送し店頭に並べている。この逆輸入ともいえる状況は環境的にもコスト的にも無駄だと感じ、地元生産者と小売業がダイレクトに取引できる場をつくりたいと思いました。
また食品スーパーが地場野菜コーナーで地元生産者の商品を取り扱う場合、現在でも手書き伝票での取引が主流です。売上が品目別に集計できないため本部からは売れ筋等の詳細が見えず、さらに本部が特売に指定した商品と地元生産者から仕入れた商品の品目が重なってしまえば、カニバリを起こすことにもなる。逆に仕入れ数が少なければ、チャンスロスにもなります。
これらの課題から小売店舗と近隣の生産者が結び付き、どんなものが取引されているかを可視化できる仕組みをつくることは双方にとって価値のあることだと考え、このサービスを開発し、2022年にローンチしました。
チャンスロスや廃棄ロスも軽減 生産者・小売・消費者の三方よし
─では「es-Marché」の特長について教えてください。
相原●「es-Marché」は生産者と店舗の直接取引をシステムと業務代行で簡素化し、地場野菜売場運営に係る小売・量販店の事務負担を軽減するサービスです。
第1に生産者ごとの口座情報の管理や、インストアコードの体系的管理、売上実績の管理などをシステム化することで、小売・量販店の作業を大幅に簡素化します。
第2に生産者ごとの契約手続きや支払業務などを業務代行することで小売・量販店の事務負担と業務に係るコストを削減します。
第3に消化仕入れと買い取り仕入れの両方に対応しており、消化仕入れでは売上速報の配信、買い取り仕入れでは地場商品の計画調達を可能にし、売場づくりをサポートします。
さらに「es-Marché」には生産者と小売・量販店がチャット欄のようにやり取りできるコミュニケーションツールが付属しており、リアルタイムで販売状況を確認することでチャンスロスや廃棄ロスを低減することができます。






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