予定日9日前に急遽発表……トライアルホールディングスが新規上場延期へ
ディスカウントストア大手のトライアルホールディングス(福岡県)は4月3日にプレスリリースを更新し、4月12日に予定していた新規上場の手続きを延期することを発表した。
トライアルホールディングスが、東京証券取引所グロース市場への新規上場が承認されたことを発表したのは3月8日のこと。同日に前期決算と今期の業績予想も発表しており、2022年6月期の連結業績は、売上高5976億円(うち流通小売事業は5967億円、リテールAI事業は4億円)、営業利益120億円、経常利益126億円、当期純利益71億円であったことを公表している。
2023年の業績予想では、売上高6658億円(対前期比11.4%)、営業利益128億円(同7.0%増)、経常利益143億円(同6.2%増)、当期純利益80億円(同13.1%)の増収増益を見込んでおり、久々のリアル小売の大型上場とあって業界中の注目を集めていた(関連記事)。
上場予定日の9日前と直前での延期となった理由について、トライアルホールディングスは「昨今の金融機関の破綻等を契機とした混乱が続く中、株式市場に関する動向等を総合的に勘案」(プレスリリースより)したためと説明する。上場手続きの再開時期については「今後の株式市場の動向等を見極めた上で、総合的に判断する予定」(同)としている。
証券会社が提示していた仮条件は1800~2000円、想定時価総額は2200億~2500億円程度と東証グロース市場でもトップ3に入る規模とも観測されていただけに、投資家の落胆も大きそうだ。