薬業3団体・日本ヘルスケア協会年頭所感「医薬品登録販売者の資質向上は社会の健康のカギ」
日本薬業研修センター 中込和哉理事長
「医薬品登録販売者の資質向上を支える」
新型コロナウイルスは2022年内に収束する気配はなく、第8波の到来はいつか、感染症法上の分類「第5類」への引き下げはいつかといったことが話題になっている。いまやネット上でも巷でも、病気や医療の情報はあふれんばかりに流れているが、その中で私たちは一体何が正しい情報なのか、よくわからない状況にある。右往左往しているというのが正直なところだろう。
そうした状況にあって、ドラッグストア(DgS)の存在は日々大きくなっているのを感じている。健康に関する相談事があるときに、病院や診療所は足を運びにくい。調剤薬局は処方せんがなければ気後れする。それに対しDgSは、医薬品登録販売者、薬剤師など、いつでも医薬の専門家がいて、何でも気軽に相談ができ、正しい情報を教えてもらえる。とくにこのコロナ禍で、DgSが頼りがいのある存在だということに多くの人が気づいたのではないか。
そうした期待に応えるべく、医薬品登録販売者や薬剤師などの皆さんの御苦労はいかばかりかと頭の下がる思いだ。
日本薬業研修センターでは、従来から、薬剤師、医薬品登録販売者などの方々が、この期待に十分応えられるだけの正確な知識とそれを伝えられる能力を養成するため、情報収集と提供、教育など、さまざまな資質向上支援を行ってきた。また、ここ最近では、大学や地方自治体が就業支援の一環として実施している医薬品登録販売者受験対策講習を担当し、好評を博している。医薬品登録販売者がますます注目を集めている状況にあると感じている。
23年も引き続きコロナ感染予防対策を徹底させ、通信研修やライブ研修等のリモート研修にも対応できる医薬品登録販売者資質向上研修を実施していく。
公益財団法人日本ヘルスケア協会 今西信幸会長
「公益財団として本格的に活動開始」
2022年は当協会にとって、9月に内閣府公益認定等委員会から公益認定を受けるというエポックメイキングな年になった。
23年は公益財団法人として、本格的な公益活動の年になる。活動予定だが、公益財団法人としては、研究助成事業、セミナー事業、情報収集・提供事業、普及啓発事業がある。
研究助成事業においては、公衆衛生の向上および高齢者福祉に関する研究活動にかかる関係者の活動を公募により助成していく。セミナー事業については、ヘルスケア、セルフチェック等に関する時機に応じたテーマを選定し、有識者を講師としたセミナーを開催していく。
22年の実績として、9月にフレイル予防のオンラインセミナー、11月には「人々と地球の健康(プラネタリーヘルス)」のシンポジウムをハイブリッド開催した。情報収集・提供事業では、ヘルスケアの推進に資するエビデンスを収集し、新たに創出する学術的な活動を行うヘルスケア学会活動、ヘルスケア推進に際して具体的な課題・問題の解決を図る方策を検討し、条件整備を行うヘルスケア協議会活動を進めていく。
普及啓発事業としては、先の三事業の活動成果をホームページでの報告および出版・動画制作等により公開し、ヘルスケアおよび健康寿命延伸に関する正しい情報を発信していく。
また、従来からの継続活動に関しては、「野菜果物の店頭表示に関するサンドボックス実証結果の社会的実装」「必要とされるサンドボックス実証実験テーマの拡大」、昭和女子大学への寄附講座の提供、2025年大阪関西万博計画への協力等を継続していく。
23年も、関係する行政や企業・個人の皆さまのご理解と絶大なるご支援、ご協力を心よりお願いしたい。