減益SM相次ぐなか中間決算絶好調のヤオコー、増収増益記録更新に向け視界良好!
ネットスーパーは黒字化に向け足場固め
ネットスーパーの対応店舗数は現在24店舗。「今期はサービス拡大を止めて、黒字化に向けた施策に取り組んだ。最低購入金額を設定し、8000円以上の購入で送料無料とするなど、配送1件当たりの単価を上げるための価格改定を実施した」(川野氏)。こうした取り組みが奏功し、現在は対応店舗の約半数が黒字化を達成しているという。
出店政策では、上期中は旗艦店「久喜吉羽店」(埼玉県久喜市)を含む4店舗を出店。下期は現在までにすでに2店舗を出店しており、11月に「新百合ヶ丘店」(神奈川県川崎市)、25年3月には「綾瀬店」(神奈川県綾瀬市)の出店を控える。なお、10月にはエイビイも「平塚店」(神奈川県平塚市)を新規出店している。
そのほか、自社プライベートブランド(PB)「Yes!」シリーズのほか、ライフコーポレーション(大阪府/岩崎高治社長)と共同開発PB「star select(スターセレクト)」などを含む、PB売上高は同12.4%増。PB売上高比率は同10.19%と前年同期から0.09pt上昇した。
上期業績の好調を受け、ヤオコーでは大型改装投資を2店舗から8店舗に積み増す。建築費高騰の影響などもあるものの、新店、改装、システム・センターなどを含めた25年3月期通期の設備投資、前期から109億円増の376億円になる見通しだ。設備投資の方針について、川野社長は「ある程度の店舗数を改装しないと、店舗年齢が古くなる。改装は一定のコストをかけていく。また、店舗数の拡大とあわせて、デリカセンターや物流センターへの投資も継続的に行っていく」と話す。
通期の業績予想(連結)は期初から据え置き、営業収益が対前期比14.1%増の7070億円、営業利益が同7.1%増の314億円、経常利益が同5.6%増の305億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同2.5%の187億円と増収・増益を見込む。多くのスーパーマーケットが中間決算で減益に沈む中、難なく増益を達成したヤオコー。36期の増収増益達成に向け視界は良好だ。