ヤオコー20年度上期決算は「価格」「若い世代取り込み」で大幅増収・増益 下期は設備投資と低価格対応に注力
上期の重点施策は若い世代の取り込みと差別化
上期、重点的に取り組んだ施策としては低価格商品の充実がある。コロナによる景気低迷で今後も消費者の節約志向は高まるとみられており、ヤオコーでは先取りして5~6月から価格対応を実施してきた。ヤオコーでは若い子育て世代のファミリー層の取り込みが課題となっていたが、その対策も兼ね、冷凍食品やアイスクリームなど、比較的若い顧客が好んで購入する商品の価格をとくに引き下げた。
低価格で提供できる商品を増やすためコストカットにも注力した。店舗の省力化・生産性向上のために、ヤオコー各店で取り扱う総菜などを集約して製造する「デリカ・生鮮センター」の活用を推進。これには、ヤオコーならではの総菜で、他社との差別化を図る狙いもある。たとえば生地から作ったヤオコーオリジナルのピザが人気を集めているが、これはデリカセンターで生地を製造し、店舗へ供給することで実現したもの。他社との差別化を行うことで、競争力の強化へつなげることが目的だ。実際に、SM全体でデリカの売上が落ち込む中、ヤオコーは比較的順調な回復を見せている。「(順調なデリカの回復は)われわれが提供する総菜の品質への評価ではないか」と川野澄人社長は語った。