[北京 9日 ロイター] – 中国国家統計局が9日発表した4月の生産者物価(PPI)は前年同月比0.9%上昇し前月の0.4%上昇から加速、2018年12月以来の高い伸びとなった。
コモディティー価格の上昇がPPIを押し上げた。また、中国当局がさらなる景気刺激策を打ち出す中、需要が回復し始めた可能性が示された。
ロイターがまとめたアナリストの予想は0.6%上昇だった。
PPIは前月比では0.3%上昇となった。3月は小幅に上昇していた。
4月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比2.5%上昇。伸び率は前月の2.3%を上回り、6カ月ぶりの高水準を記録した。アナリストの予想とは一致した。
アフリカ豚コレラの影響で豚肉価格が値上がりしていることが背景。
CPIは前月比では0.1%上昇。3月は0.4%低下していた。
食品価格は前年同月比6.1%上昇した。上昇率は2016年4月以来の高水準となり、3月の4.1%を大きく上回った。
豚肉価格は14.4%上昇。上昇は2カ月連続で、それまでは2年以上にわたり下落していた。統計局によると、豚肉価格はCPI上昇率を約0.31%ポイント押し上げた。
中国農業農村省は先月、豚コレラの影響で今年下半期に国内豚肉価格が70%急騰するとの見方を示した。
ただ一部のアナリストは、中国経済をけん引する需要の状況に引き続き懸念を示している。
キャピタル・エコノミクスの中国担当シニアエコノミスト、ジュリアン・エバンス・プリチャード氏は「今後数カ月間はおそらく食品価格の上昇がCPIを引き続き押し上げるだろう」と指摘。
その上で「経済成長が力強い回復を示す可能性は低く、コモディティー価格は近いうちに下落することが見込まれるため、PPIと食品を除くCPIの上昇余地はあまりないと予想する」と述べた。