日本でのマーケティングが「難しくなった」と思うに至った理由

桂 幸一郎(エイトハンドレッド)
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iStock/CHUNYIP WONG

 「自主調査」という言葉を知っていますか?調査会社は通常、企業からの依頼で調査するのですが、自社PRなどさまざまな目的で、自主的に企画して実施する調査のことです。自主調査は興味深い調査をすることも多いのでチェックすることをお勧めします。さて今回は、筆者が実際に調査会社の自主調査を確認してとても驚いたことについて話したいと思います。

 筆者が属するコンサルティング会社の親会社は、マーケティング調査会社のマクロミルです。同社は5年に1度、「T h eLife 20」*という世界の主要20都市の生活者の意識や生活習慣を聴取する大規模な調査をしています。

 これだけの大規模で骨太な調査が無料で見られるのは正直すごいことです。一方でこの調査を通じて、海外に比べ、日本の生活者に対してマーケティングをするのは「かなりチャレンジング」、つまり「難しい」ことだと痛感させられたのです。

*https://www.macromill.com/service/report/research-report-090/

日本商品を売りやすい東南アジア

 海外の消費者調査を担当する同僚は、東南アジアで日本の商品を売る際、「少し前の日本の売り方をベンチマークすればよい具合に売れることが多い」といいます。実際、「よい具合」がどれくらいなのかは別にして、メーカーでも同様の意見を耳にします。

 ここでいわれる「少し前の日本の売り方」というのは、

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