リクルートの飲食に関する調査・研究機関である「ホットペッパーグルメ外食総研」では、2015年から『「ハロウィン」への参加意向、賛否等に関する意識についての消費者アンケート』を実施している。小売チェーンにとって商機となる「季節催事」に対する消費者の意識はいかに変わりつつあるのか。24年9月に行われた同アンケートの最新結果に基づき、今年のハロウィンの動向を解説する。
ハロウィン行事参加予定者は16.1%、前年参加実績を上回る
24年のハロウィン行事への参加予定については3圏域(首都圏・東海圏・関西圏)合計で16.1%と、前年の参加実績である15.2%(2024年調査結果)を上回る結果だった(図1)。参加実績は3年連続で増加しており、今年も増加する可能性がありそうだ。
参加予定率が最も高かったのは男女とも20代だった。20代男性は25.3%、20代女性は21.4%が参加予定と回答している。前年の参加実績と比べると、30代女性(2.4ポイント増)や50代男性(1.6ポイント増)の参加予定率が増加した。一方、30代男性(1.2ポイント減)と40代女性(0.6ポイント減)の参加予定率は減少した。
家族中心の集まりから、知人・友人と過ごすイベントへ
次に、「ハロウィンを誰と過ごしたいか」についてのアンケート結果トップ3は次のとおりだった。
- 1位:「友人・知人」(9.0%)
- 2位:「夫婦二人」(8.4%)
- 3位:「家族・親族(小学生以上18歳以下の子連れ)」(8.1%)
1位は「友人・知人」と2年連続で最多となった。「友人・知人」は、21年の5位から、22年は3位、23年は1位と順位を上げ、家族中心の集まりであったコロナ禍中のハロウィンから平時に戻ったことを感じさせる結果だった。
2位は「夫婦二人」が8.4%、3位は「家族・親族(小学生以上18歳以下の子連れ)」が8.1%であった。性年代別でみると、20代の男女と30代女性では、一緒に過ごしたい相手として「友人・知人」が、40代男女では「家族・親族(小学生以上18歳以下の子連れ)」が他の年代や性別よりも多い。
また、希望するハロウィンの過ごし方があった人(3484人)に、「今年のハロウィンで最も楽しみにしている過ごし方」を聞くと、次のような結果が得られた(図2)。
- 1位:「家で過ごしたい」(26.1%)
- 2位:「ハロウィンスイーツを食べたい」(12.9%)
- 3位:「外食を楽しみたい」(8.3%)
- 4位:「飲酒を楽しみたい」(5.7%)
- 5位:「子どもにお菓子をあげたい・配りたい」(5.2%)
性年代別では、20~50代女性で「ハロウィンスイーツを食べたい」、50~60代男性で「外食を楽しみたい」「飲酒を楽しみたい」の回答割合がほかの年代や性別に比べ高くなっている。
「子どものためのお祭りとして良い」との回答割合が高い30~60代女性
「ハロウィン」に肯定的な人が答えた理由は以下のとおりだ。
- 1位:「本来の意味と違っても日本風に楽しめば良い」(32.6%)
- 2位:「子どものためのお祭りとして良い」(28.5%)
- 3位:「経済効果がある」(26.7%)
3年連続で順位が同じだったが、回答割合は前年と比べて減少した。性年代別では、30~60代女性で「子どものためのお祭りとして良い」、20~40代男性で「たまにはめを外す機会として良い」、20~40代女性で「飾りつけなどが楽しい」の回答割合が、ほかの年代や性別よりも高かった。
全体的な今年の傾向としては、「外出や飲食を楽しみたい若者」と「子どもに楽しみを提供したいファミリー層」がハロウィン消費の二大ターゲットといえそうだ。小売店舗、それぞれの立地や客層と上記ターゲットをどうマッチングさせるかの勝負となるだろう。
【調査概要】インターネット調査、調査期間:2024年9月2日(月)~9月13日(金)、有効回答数:8124人(首都圏4717件、東海圏1222件、関西圏2185件、各ウエトイバック後件数)、全国47都道府県に住む20〜69歳の男女、マクロミルモニター)。