競合少ない”スキマ価格帯”で成長! D2C家具ブランド「KANADEMONO」の次の一手
シンプルで中価格帯のオーダーメイド家具を短納期で届けるD2C家具ブランド「KANADEMONO」。2018年2月の創業以来、SNSを通じてファンを増やし、家庭用だけでなく、オフィスや店舗など幅広いニーズに応えてきた。21年には、住空間に特化したソーシャルプラットフォーム「RoomClip」を運営するルームクリップ(東京都/髙重正彦社長)の子会社となり、23年5月からはKANADEMONOカンパニー(東京都/石川森生代表)として新たな体制で始動。KANADEMONOの次なる一手について、同社代表の石川森生氏に話を聞いた。

カスタマイズ商品で付加価値を創出
矢野経済研究所(東京都)の調査によると、22年の家庭用・オフィス用家具市場規模はメーカー出荷金額ベースで1兆1330億円。23年も同水準の1兆1330億円、24年に1兆1380億円、25年には1兆1630億円へと緩やかに拡大すると予測している。
しかし人口減少により国内市場の縮小が見込まれる中、家具・インテリアの大手各社はアジアを中心とした海外展開を加速している。こうした状況下でも、KANADEMONOカンパニーは国内のみで事業を展開しながらも、KPIとしている高い利益率を維持し、対前年比10%以上の成長を実現している。

高い利益率の背景には、在庫リスクを抑えつつ短納期を実現する柔軟な在庫戦略がある。たとえば、すべての商品で1cm単位のカスタマイズが可能な「THEシリーズ」のテーブル製品では、天板と金属製の脚といった基本パーツの在庫を最小限に保ちながら、顧客の多様なニーズに応えている。
この金属製の脚は、シンプルながら洗練された美しさと機能性を兼ね備え、天板との自由な組み合わせを可能にする、KANADEMONOのプロダクト思想の原点に位置づけられる存在だ。「自分だけの『ちょうど良い』」を叶える商品づくりの核となっている。
フレキシブルな供給体制を整えることで、同社は「THEシリーズ」をはじめとするカスタマイズ可能な商品群により付加価値を創出している。




