行列スイーツ「クニャーネ」仕掛け人、有名店の看板商品だけ販売する戦略とは

2024/08/07 05:59
笹間聖子
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コアなファンの発信で行列の店に

店頭で販売するのは、左からクニャーネ、チョコクニャーネ、そして夏季限定の抹茶クニャーネの3種類だけ

 数々の苦労を経て完成したクニャーネ。広告は出さず、工事中、店名と開業日、商品写真を記載したポスターを貼るのみ。それでも開店日には、『たま木亭』を知るパン好きと業界人が並び、彼らの発信から自然に「行列の店」となった。

 売上は好調で、2月にオープンした吉祥寺店は当初1日2000本で約70万円、現在も11600本で約50万円を売り上げる。吉祥寺店の広さは8坪、坪当たり6万円以上売上げている計算だ。購買層は女性が中心で、最も多いのは、「4本入り1400円」の箱入りを手土産に購入する客だという。

 店はアルバイトスタッフが運営し、9~14時頃までは生地の焼成、クリームの仕込み、販売を含めて5人。

 午後からは販売のみで、3人で回している。現状、店舗には社員として店長がいるが、ほとんどはアルバイト中心で営業している。

 今後については 立地を東西南北に距離を離して、希少性を保つためにも、首都圏で、あと3、4店舗を出店したいと考えている。

 一方で同氏は、「レシピと名前だけを借りる」スタイルで、新たな業態開発も進めている。柳田氏が次に何を仕掛けるのか、今後の展開にも注目が集まる。

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