経営学者・楠木建氏も絶賛!店舗当たり年商約27億円を稼ぐ 「クックマート」の競争戦略
「クックマート」モデルで
ローカルスーパーを活性化
最後に、これから注目されるのがデライトHDの今後の競争戦略だ。同社は2022年9月5日、ファンド運営会社であるマーキュリアインベストメント(東京都)との戦略的資本業務提携を締結するという、これまた異例の発表をしている。投資会社であるマーキュリアと組むことで、ファイナンス等に長けた経営人材の獲得と、ローカルスーパーの成長モデル構築を図る。
ローカルスーパーの成長モデルの構築では、具体的には、成長を続けるクックマートの組織づくりや店舗運営のノウハウを体系化。これを生かしてクックマート既存店を磨き上げるだけでなく、将来的にはこの成長モデルのその他小売業への導入や、賛同してくれた企業とのグループ化や提携・連携なども見据えている。
デライトHDの白井健太郎社長は今回の提携について「業界の常識やチェーンストア理論の枠組みを超えてブレイクスルーするためには、異なるバックグラウンドを持つ専門家集団とのコラボレーションこそ理にかなっている。ローカルスーパーの次世代の成長モデルを実現したい」と意気込みを語っている。
このように、これまでのローカルスーパーとは異色の成長路線を歩み出しているクックマート。大手チェーンの進出や深刻化する人口減などによって、ローカルスーパーの経営は年々厳しさを増している。こうしたなか、ローカルスーパーが勝ち残る新たな道を切り開いてくれることに期待したい。
書籍『クックマートの競争戦略』
7月25日~好評発売中
税抜1800円