21年度上期決算は増収増益のヤオコー せんどうとの協業や新業態フーコットの状況は?
せんどうとのシナジーは?
決算説明会では、新業態「フーコット」の状況も明らかになった。21年8月、1号店の「フーコット飯能店」(埼玉県飯能市)がオープンし、業績はほぼ計画通りに推移しているという。
同業態はヤオコー子会社のエイヴイ(神奈川県/八塩直之社長)が運営するディスカウント型SM「エイビイ」の“コピー”として開発された。「これまでは物流面での問題から埼玉県へエイビイを出店することができなかったが、フーコットの開発に当たり埼玉県内で専用のプロセスセンターを稼働させた。今後は埼玉県内でもディスカウント業態を出店できる体制が整いつつある」(川野社長)。今期中には2号店である「フーコット昭島店」のオープンも予定されている。
21年9月に発表されたせんどう(千葉県/木口誠一代表取締役)との資本業務提携についてもコメントがあった。「せんどうは当社の商勢圏と重なるところが少なく、お互いに事業エリアを補完できる。シナジーについてはこれからだが、お互いの強みを最大限に生かすことが重要。せんどうの強みである生鮮の仕入れや売り方については学んでいきたい。また、当社の強みである総菜のオペレーションやエイヴイの生産性向上の取り組みなどをせんどうと共有していくこともあり得る」(川野社長)
●
競争が激しさを増すSM業界で、商品開発や売場提案で「個店」の強さを磨きつつ、新業態の開発や他社との提携など新たな動きも見せているヤオコー。今後は「グループ企業体」としてさらなる成長をめざす方針だ。22年3月期通期では、単体では増収増益を見込むものの、連結では下期の環境の不透明感、追加の既存店の改装や新店の経費増加を考慮し、期初の計画を据え置く。営業収益5086億円(対前期比0.1%増)、営業利益223億円(同0.7%減)、経常利益218億円(同1.9%減)、当期純利益142億円(同2.7%減)の増収減益を見込む。