セルフメディケーション、スイッチOTC… 日本OTC医薬品協会の新会長は何を語ったのか?
厚労省「セルフケア・セルフメディケーション推進室」との連携は極めて重要
上原 次に「着手小局」として、生活者に向けた啓発活動と生活者が実践しやすい環境づくり、そして国際的な活動の3点に注力することを考えている。
1点目の生活者に向けたセルフメディケーション啓発活動としては、7月に予定しているセルフメディケーションの日・週間やSNS(Twitter等)の活用、薬局・ドラッグストア、関連団体との連携強化を通じてセルフメディケーションの認知を広げ、自助、共助、公助の理念の理解や、学校教育・地域専門家による「健康リテラシー」教育の普及推進を支援していきたい。
次に2点目の生活者がセルフメディケーションを実践しやすい環境づくりとして、自分の健康状態を把握するためには自己診断ツールの充実や相談しやすい環境づくりが重要で、さらにセルフメディケーションを実践する(行動変容)ためには、セルフメディケーション税制の充実・発展やスイッチOTC化の促進、新たな効能範囲の拡大、オンライン相談と連携したセルフメディケーションの実践方法の検討を進めていくことが必要だ。
3点目の国際的な活動については、日本のOTCの海外展開のために海外ニーズへの対応支援を行うことを予定している。
これら活動を進めていくうえで、さまざまな関係者からのご意見をうかがい、ご理解とご支援をいただきつつ、連携していくことが必須であり、特に4月に厚生労働省内に新設された「セルフケア・セルフメディケーション推進室」との連携は極めて重要であると認識している。なお、現在、2019年に当協会が公表した「OTC医薬品産業グランドデザイン」の見直し作業を進めており、新たな取り組みについても積極的に取り組んでいきたいと考えている。