ヤオコーは5月10日、2024年3月期を最終年度とする3カ年の中期経営計画を公表した。経済の先行き不透明感が高まる中、消費者の節約志向が今後も強まるとみて、グループ全体で価格対応力を強化する。
ヤオコー本体では、EDLP(常時低価格)の価格政策と子育て世代のニーズが高い商品の価格対応に注力する。同時に自動発注システムや総菜・生鮮の集中加工センターの活用、本社のスリム化などにより生産性を向上させる。
また、神奈川県が地盤の食品スーパー子会社、エイヴイでディスカウント業態を出店するほか、2月に新設した子会社フーコットもディスカウント型の事業モデルの確立と水平展開を目指す。
定量目標としては、24年3月期で連結売上高5156億円、経常利益238億円、ROE(株主資本利益率)10%以上を目指す。
同日発表した21年3月期の連結業績は、売上高に当たる営業収益が前期比10.3%増の5078億円、営業利益が13.0%増の224億円、純利益が17.1%増の145億円だった。新型コロナウイルス感染症の影響による内食需要拡大で、ヤオコー単体での既存店売上高は9.1%増加した。
前期の内食需要拡大の反動から、22年3月期の連結業績は減益を見込む。営業収益は0.1%増の5086億円とわずかに増えるが、営業利益は0.7%減の223億円、純利益は2.7%減の142億円となる見通しだ。一方、ヤオコー単体の業績については、営業収益が0.1%増の4427億円、営業利益は1.4%増の200億円、純利益は0.3%増の133億円と増収増益を維持する見込みだ。