ブランドリユース大手コメ兵、持株会社化のねらいとAI活用進める「リユーステック」とは?

2020/11/12 05:55
    ダイヤモンド・チェーンストア編集部
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    ラグジュアリーブランドの買い取り・販売に強みを持つブランド品リユース大手のコメ兵。同10月1日、グループ経営体制へと変更し、コメ兵ホールディングス(以下、コメ兵HD、愛知県/石原卓児社長)を設立、傘下にブランドリユース事業、タイヤホイール事業の計13社を束ねる。コメ兵HDの石原社長に、持株会社化したねらいと今後の成長戦略等について話を聞いた。

    聞き手=阿部幸治 構成=若狭靖代

    コメ兵店舗外観

    ラグジュアリーブランドに強み ブランドリユース大手のコメ兵

     コメ兵(現・コメ兵HD)は1947年創業の、時計、貴金属、バッグなどブランド品のリサイクルショップを運営する会社。リユース業界 では第四位の売上高を誇る。愛知県で創業し1996年に東京進出、2004年に東証第二部へ上場を果たした。ブランドリユースに強みを持つだけあり、その特徴は徹底した検品体制にある。全国で買取った商品をすべていったん愛知のセンターに集約、検品とメンテナンスを行った後に店頭やオンラインショップで販売している。
     直近の業績は新型コロナウイルス(コロナ)流行の影響を大きく受け、2021年3月期第1四半期決算(4月~6月)で売上高78億6100万円(対前年同期比36.8%減)、営業赤字8億6000万円、純損失12億2900万円となっている。コロナ以前では、2018年3月期で売上高454億9700万円、2019年3月期で同509億6000万円、2020年3月期で575億1000万円と順調な成長を見せていた。
     ホールディングス体制への移行により、中核のブランドリユース事業を扱うコメ兵を完全子会社化し、コメ兵HDの傘下とした。このほかホールディングスの下には、タイや香港で同事業を扱う現地の事業会社や、ブランドリユース品のオークションを行うKOMEHYOオークション(愛知県/沢田登志雄)、タイヤホイールの販売を行うクラフト(愛知県/神谷直輝社長)など計13社が連なる。

    リユース業界は好調だが、コロナの影響は大きい

    ――まず、リユース業界全体の状況について教えてください。

    石原 市場全体として活発に伸びており、中古品、なかでも“身に着けるもの”というくくりでの中古品市場は約2兆円規模まで成長しています。これは、店舗だけでなくオンラインなど、販売チャネルが増えていることが要因のひとつだと考えています。CtoC(個人間取引)の販売も増えています。従来の店舗型の販売も伸びてはいますが、やはりネットを通じた販売の方が、成長の勢いがあるイメージです。

    ――コロナ感染拡大の影響はどの程度ありましたか。立地による売上の差や、客数の変化などもお聞かせください。

    石原 4、5月は自粛要請によってほぼ休業していましたから、もちろんその間は厳しかったですね。4月度のコメ兵の売上は対前年同期比で30%まで落ち込みました。ただ、感染拡大が落ち着いてきたのに合わせて月ごとに客足は戻っております。
     立地の面では、外出控えが影響し、東京の新宿や銀座、大阪の梅田など都市部にある店舗より、住宅街に近い店舗の方が動きは活発です。客単価に大きな変化はなく、コロナ禍でも良いものや珍しいものは高単価の商品であっても売れています。ただ、客数の減少をカバーするほどではありませんでした。

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