2025年10兆円産業化めざす! 日本チェーンドラッグストア協会が一般社団法人となった背景
ほかの団体と共通の課題や問題を解決していく
池野会長は改めてほかの団体に協働を呼び掛けた。
「一般社団法人としてのスタートを契機に、さらにほかの団体と協働しながら次の一手を打っていきたい。ほかの団体とは、1つは日本薬剤師会や日本保険薬局協会などの薬系団体だ。それ以外にも、医薬品の生産や販売を主たる業としている各種団体と、共通の課題や問題があれば一緒に解決していきたい。また、あらゆる業界と連携して、日本チェーンドラッグストア協会が一緒に物事を解決していく方向にもっていけたらいいなと考えている」
「ドラッグストア業界がめざす2025年10兆円産業化は通過点だ。そう遠くないうちに達成できると思っている。ただ達成すればいいというわけではない。10兆円が手頃な目標になってはいけない。今後、日本チェーンドラッグストア協会が何をしていくのかが大事だ」
今回の一般社団法人設立の背景について、日本チェーンドラッグストア協会業務執行理事事務総長の田中浩幸氏は次のように説明する。
「1999年の日本チェーンドラッグストア協会設立から、歴代会長や故・宗像守事務総長、今西信幸前事務総長をはじめ、多くの方々が業界の発展に尽くしてきた。その中で活動のしやすさという点では、みなし法人、つまり法人格という決まったかたちを持たない状態がよかったシーンもあったのだろうと感じる。われわれはドラッグストアに対して、社会からの要請が高まっているというところを明確に認識している。業界団体を外から見たときにわかりやすい体裁であるということが大事だろうというのが一般社団法人化議論の1つのスタートだった。一般社団法人という比較的事業自由度の高い法人格を取得することで、外から見ても、中で活動するわれわれも非常にわかりやすい団体にしていこうという結果が今回の法人格取得につながった」
一般社団法人日本チェーンドラッグストア協会は、(1)健康産業としてのわが国のドラッグストア業態の産業化の推進、(2)ドラッグストア産業の具体的な発展、育成に必要な情報の収集、提供、(3)ドラッグストアを取り巻く生活者、産業界、行政に対する建議、提言を行い、国民の健康と豊かな暮らしに寄与する――の3つを目的としている。